<金融機関対応の難しさ>
家族信託でも、商事信託でも、委託者がお持ちの金銭は通常は金融機関の委託者名義の預貯金口座にあるので、そこから信託受託者名義の口座に振込みまたは振替えるということが行われ、これにより信託設定がされる訳です。
委託者が現金でお持ちの場合はどうなるでしょうか。委託者である親御様名義の金融機関の預金口座に入金し、そこから上記のようなプロセスで信託設定が出来ればそれに越したことはありません。しかしながら、税理士先生がたもご存じの通り、 昨今、金融機関は現金の取扱いには非常にナーバス であり、一筋縄ではいかないケースも出て来ます。
これまでお話ししてきた通り、まず、家族信託の信託受託者名義の口座を開設して貰うこと自体が相応にハードルが高いのですが、苦労してそこまでたどり着いても、店頭に数億円といった規模の現金を持ち込むといったことは基本的には受け入れて貰えないものと思います。
これ自体は金融機関側に課せられている 「犯罪による収益の移転防止に関する法律」 等によるマネーロンダリング、テロ資金供与に関する規制を踏まえればやむを得ないものと考えられます。
<具体的な対応>
そこで考えられるのは、 信託受託者名義の口座開設時に当該金融機関が受入れ可能な現金を預入しておいて、 その後は当該信託受託者名義口座に ATMで入金を行うといったことになろうかと思います。
しかし、ここでも金融機関対応の壁があります。金融機関ごとに仕様、規制の差異があろうかとは思いますが、一度にATMで入金出来るのは紙幣〇〇枚まで、1日の回数限度が〇〇回までといった制約がある訳です。
委託者がお持ちであった現金の金額が大きい場合においては前記の制約のもとで家族信託の信託受託者名義口座への入金を終えるまでには一定の時間がかかることは容易に想定されます。しかしながら、 現金を現金のまま受託者として管理することは極めて難しく、また記録を残すこと等においても煩瑣であることから、受託者自身をリスクに晒すことにもなりかねません。従って、私どもがコンサルティングをお受けする家族信託であれば、速やかに信託受託者名義口座への入金、同口座内での管理に移行することを強くお勧めしております。
<信託設定時の工夫>
と、ここまでお読みいただいた税理士先生の中には、 信託設定日以降、家族信託の信託受託者名義口座に入金し終えるまでの間、現金はどういう位置付けになるのか?信託設定されているのか、されていないのか?という疑問をお持ちのかたもいらっしゃるかも知れません。
もちろん、現金という形を取っていたとしても、それを親御様のためにお子様がたが受託者として管理したいという想いは変わりませんし、それを実現する必要はあります。
ご承知の通り、現金は法律上は動産と位置付けられますので、委託者である親御様から受託者であるお子様がたへの信託設定においてはその引渡しが必要になります。ここから先は私どものノウハウの部分もあるので詳述はご容赦いただきたいと存じますが、そのような引渡し書面のやり取りや実態としての受託者の管理等をしっかりご支援することで、 信託設定時点から現金も信託受託者の管理下に置き、それを受託者が現金管理から預金口座管理に移しているという状態を作っているのです。
私ども日税グループでは、株式会社日税経営情報センターにおいて家族信託のコンサルティングを、株式会社日税信託において商事信託を取り扱うとともに、2025年1月より遺言信託の取扱いも開始しております。
税理士先生や関与先様の幅広いニーズにお応えすべく、相続・資産承継のご相談に専門の職員が丁寧かつ親切にご対応致します。ご相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。
(お問い合わせをいただいた税理士先生には信託の小冊子を謹呈致します)
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