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COLUMN

2024.05.14企業再生・経営

事業承継税制 特例承継計画の提出期限延長

  • 事業承継税制

5月に入り、認定支援機関が関わる各制度の公募要領等も順次改正・更新されていきます。
大きな変更があるのか気になり、更新が待ち遠しいという方々も少なくないでしょう。

事業承継税制(特例措置)に関しては、令和6年4月1日付でさっそく改正されました。
大きな変更点は、
特例承継計画の提出期限が令和8年(2026年)3月31日まで2年延長
だけでした。
その他の変更が無かったことは何よりです。

2年延長になったので、「ゆっくり検討すれば良い」とのんびり構えられている
中小企業経営者の皆様もいらっしゃるかと思いますが、
「自社株の贈与に関して、意思決定を迫られている」
ということを念頭に置くべきでしょう。

贈与による事業承継税制を活用した納税猶予を受けるためには、
「特例承継計画の策定(確認申請)」→「贈与」→「認定申請」
この3つのステップが必要となります。

特例承継計画の策定(確認申請)の提出期限は、先述のとおり、
令和8年(2026年)3月31日まで延長されましたが、
贈与の適用期限は、
令和9年12月31日であり、延長されておりません。

また、都道府県知事への認定申請は、
贈与認定申請基準日から贈与日の属する年の翌年の1月15日まで。
贈与税の申告期限は、
贈与念の属する年の翌年2月1日から3月15日まで。
と決まっています。

したがって、令和8年(2026年)3月31日に特例承継計画を提出した場合には、
翌年令和9年(2027年)12月31日まで、1年9ヵ月以内に贈与を完了しなければいけない。
さらに、認定申請は令和9年(2027年)10月15日から令和10年(2028年)1月15日まで。
贈与税の申告は令和10年(2028年)2月1日から令和10年(2028年)3月15日まで。
と非常にタイトになります。

贈与の際には、まず現経営者の代表者退任から始まり、
役員退職金の支払いなどにより株価の評価を下げて、
株価算定してから贈与を実行するケースが多いのですが、
代表者退任から、株価対策、贈与までを
1年9ヵ月以内におこなわなければいけないということです。

これまで、特例承継計画を提出された中小企業経営者の中には、
いったん特例承継計画を提出して、その後贈与の適用期限までに、
「納税猶予を受けるか否か」を意思決定しよう
というスタンスで申請された経営者も少なくありません。

しかし、特例承継計画の提出から贈与の適用期限まで1年9ヵ月と短縮されたことにより、
「納税猶予を受けるか否か」
を判断する期間がそれほど残っていないということを認識してください。




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