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COLUMN

2023.08.10企業再生・経営

特例承継計画に求められる5年間の経営計画

  • 事業承継税制

執筆者:株式会社日税経営情報センター



特例承継計画の提出期限は令和6年(2024年)3月31日

事業承継税制の特例措置を利用するには、令和6年(2024年)3月31日までに
「特例承継計画」を作成し、都道府県庁に提出することが必須です。
特例承継計画のうち、申請者が作成するのは2枚であり、その内容は以下5項目です。

1.会社について
2.特例代表者について
3.特例後継者について
4.特例代表者が有する株式等を特例後継者が取得するまでの期間における経営の計画について
5.特例後継者が株式等を承継した後5年間の経営計画

このうち1から4は記入自体、難しいものではありません。

唯一、難しいと思われるのが、
特例後継者が株式等を承継した後5年間の経営計画

特例後継者が株式を承継した後5年間の経営計画や具体的な実施内容を記入します。
円滑な承継と事業の発展に必要と考えられる内容を自由に記載してください。


経営計画作成の注意点

5年間の経営計画を作成する上で注意点が2つあります。

ひとつ目は、直近の5年間の計画ではなく、後継者が株式等を取得した後の5年間ということ。
特例承継計画の提出期限は令和6年(2024年)3月ですが、株式を承継する時期の適用期限は令和9年(2027年)12月31日までなので、令和9年に承継予定であれば、それ以降5年間の計画を記入することになります。
予定通りの実施ができなくても罰則はなく、特例措置の適用に影響もありませんので、ご安心ください。

二つ目は具体的な実施内容を決めること。
数行程度の記入で差し支えありませんが、毎年同じ内容の羅列や、空白の年は不可です。
5年分も何を書いて良いか分からないという特例後継者は少なくありません。その際は、ぜひ雇用確保要件を思い出してください。

事業承継税制の一般措置では、承継後5年間は平均8割の雇用維持が必要であり、8割に満たなかった場合には、猶予されていた贈与税または相続税の全額と利子税の納付が求められます。

特例措置では8割の雇用維持が必須ではありませんが、従業員の雇用を守り、8割以上の雇用を維持することを目標とすることで、具体的な実施内容が考えられます。

人的な計画であれば、離職率低下の施策や人材確保の施策となります。
離職率を下げるために、人材育成に計画的に取り組む、福利厚生を充実させる、
労働環境を改善するなどが考えられます。
定年など退職が見込まれる社員がいれば、そのタイミングで新しい人材を確保するために、いつ頃からどのような媒体で募集するか、という採用関連の施策もあります。

人的な計画以外にも、ヒト・モノ・カネのモノとカネの視点から実施内容は考えられます。
モノであれば、設備投資、IT化、さらには新規事業の研究開発、新商品開発、販路拡大など。
カネであれば、資金調達、財務健全化、他の株主の株式の引き受けなど。

これらヒト・モノ・カネの具体的な実施内容を5年間で段階的に進めていけるように立案しましょう。




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