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COLUMN

2023.05.23企業再生・経営

組織再編税制を活用する3つのメリット

  • 事業承継コンサルティング

執筆者:株式会社日税経営情報センター



1.組織再編税制とは

近年、事業承継の問題が取りざたされる中、組織再編を活用した事業承継に注目が集まっています。組織再編とは、会社法で定める合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付の総称です。
しかし、これらのスキームを活用することが中小企業、特に同族会社における組織再編のメリットではありません。

組織再編行為に関わる課税について包括的に定めた税制度を、組織再編税制といいます。
一般医、資産を移転する際には移転資産の譲渡損益に課税するのが原則であり、組織再編においても、移転する資産・負債は時価評価され、課税されることとなります。

しかし、組織再編において時価評価に伴う課税がなされた場合、多額の税金が発生し、課税が足かせとなって適切な組織再編行為が阻害される恐れがあります。

こういった問題に対応するために組織再編税制が設けられました。
税制適格要件を満たす組織再編については、資産・負債を簿価で引継ぎ、課税が生じないような阻止が取られているのです。


2.組織再編税制の税制適格要件を満たす3つのメリット

ここからは税制適格要件を満たした組織再編を行う3つのメリットをご紹介します。

①株主のメリット
株主が出資した金額よりも、株式の譲渡価額が高い場合は、譲渡価額から出資額を引いた差額から譲渡所得やみなし配当が発生し、通常は課税されます。
しかし、税制適格要件を満たした組織再編の場合、譲渡損益を繰り延べられることとなります。

②資産を渡す法人のメリット
合併消滅法人や分割法人のように資産を合併吸収法人や分割承継法人に渡す側の法人の場合、原則としては、時価で資産を譲り渡した後に会社を清算したものとして取り扱われます。
しかし、税制適格要件を満たす場合、組織再編時に時価評価資産の時価評価課税は行われません。

③資産を受け取る側のメリット
合併法人や分割承継法人などの資産を受け取る側の会社では、原則として、時価で資産を購入し、対価を支払ったとして取り扱われます。
しかし、税制適格要件を満たす場合には、簿価で資産を引き継いだとみなされます。


組織再編行為は、後継者と事業や資産の承継を整えるうえでは有効です。
しかし、税制上のメリットは、組織再編税制の税制適格要件を満たした場合に生まれるということです。

組織再編は租税回避の手段として濫用される恐れもあるため、個別的な否認規定、組織再編にかかる包括的な租税回避防止規定が設けられていますが、
事業と資産、親族と従業員など複雑な事業承継の解決策の一助として、組織再編行為と組織再編税制を活用されることをお勧めします。




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