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COLUMN

2023.05.09信託

民事信託(家族信託)契約事例のご紹介

  • 民事信託

執筆者:株式会社日税経営情報センター



1.お客様のニーズ
お客様は、都心一等地において賃貸不動産経営をされているご高齢のご夫婦でした。そのお客様にはお子様が4人いらっしゃり、ご長男と同居されておりました。
ご夫婦のご意向としては、高齢になり不動産の管理が大変になってきたので、同居しているご長男に管理や事務などを引き継いでほしい、もし認知症になっても賃貸経営を滞りなく進めてほしいとのご意向でした。
またお話を進めていく中で、受託者候補のご長男から、相続のときに兄弟で揉めたくない、不動産を共有で持ちたくないとの希望をお伺いしました。民事信託(家族信託)は、家族間の契約ですので、委託者である両親の一方的な希望だけを聞いて契約することは、後々のトラブルに繋がる場合があります。委託者であるお父様とお母様の希望だけではなく、ご両親の希望する不動産の管理事務を行い、受託者としての責任を負うことになるご長男の声もよく聞いて話を進めることが重要かと思います。
最終的にこのご家族の本当のニーズは、両親が所有している不動産について、万が一に備えて生前に不動産に関する権限を長男に移したい、また、両親ともに亡くなったあと(相続発生時)は、不動産を売却し売却代金を子供4人で平等に分けたい、ということが分かりました。

2.解決策のご提案
当初委託者は、不動産を共有しているお父様とお母様であるため共同委託となります。受託者は、ご長男です。お父様もしくはお母様の相続が発生したら、どちらか一方に受益権が承継され、お父様とお母様のどちらも亡くなった時点で、不動産を売却し売却代金を相続人であるお子様4人に交付する、という信託スキームをご提案しました。生前の不動産管理から、相続発生後の不動産の売却、売却代金の交付までを盛り込む信託契約です。
これに対して、お父様とお母様はもちろんご長男も納得され、これなら夫婦ともに認知症になっても安心、相続発生後もスムーズに売却代金を交付できるので遺言の代用になると喜ばれました。
遺言書を書くだけでは、お父様とお母様が生きている間に、ご長男が代わりに不動産の権限を持つということは出来ませんし、成年後見では、お父様とお母様が生きている間は、財産の維持管理を行う後見人の為に支払う費用負担が増え、財産管理の柔軟さも失われることになります。
民事信託(家族信託)だからこそ、ご家族みなさまの意向に沿った形で契約を行うことができ、委託者であるお父様とお母様の悩みを解決しながら、相続人であるお子様達の不安も解消できる内容にすることができました。

3.民事信託(家族信託)契約後の事務
さて、民事信託(家族信託)が契約できたからといってそこで終わりではありません。信託契約を行ってからが本当のスタートです。
受託者であるご長男は、不動産から入る家賃などの毎月の収入と支出、年間の収入と支出をまとめ翌年に信託計算書として税務署へ申告するなど、様々な信託事務を行う必要があります。
民事信託(家族信託)は、契約内容を柔軟に決められ自由度が高いからこそ、しっかりと信託財産の管理内容まで決めておくことが重要です。契約者同士での認識がずれている状態で手続きを進めてしまうと、委託者の希望する財産管理ができなくなってしまう可能性があります。契約の際には、必ず専門家に相談し細部まで話し合って内容を決定しましょう。
私どもでは、信託契約までのコンサルティングはもちろん、信託契約に関して発生する様々な事務についてもアドバイスを行い、税理士先生と一緒に関与先様をサポートして参ります。


私ども日税グループでは信託に関するご相談を承っております。
ご相談段階では無料で対応させていただきますので、お気軽にご相談下さい!





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