私ども、株式会社日税経営情報センターでは、数多くの民事信託(家族信託)に関するご相談をお受けしております。本日はその中から、直近で成約になった事例をもとに、民事信託(家族信託)コンサルティングの実務上のポイントをお話してみようと思います。どういったニーズにどのような信託スキームをご提案していったのかは、また別の機会に譲るとして、本日は実務的に苦労した部分をお話するというのが目的になります。
1.関係者のニーズ確認
今回の案件は収益物件を共有されているご高齢のご夫婦が委託者で、ご長男が受託者という案件でした。お話をお聞きしていくと、お父様とご長男の想いに微妙に異なっている点があることに気がつきました。お父様は、同居もしていて、一番頼りにしているご長男に早く全て任せてしまいたいということなのですが、ご長男は他の兄弟から余計なことは言われたくないということで、慎重にスキームを組成したいというご意向がありました。
また、信託スキームについて他のご兄弟にはお父様がしっかりとご説明されるということだったのですが、これについても予想以上に時間がかかり、案件全体としては最初にご相談をお受けしてから信託契約、登記まで10か月近く経ってしまいました。
それでも、各関係者としっかり向き合いながらニーズをお聞きしていった結果として、ご満足いただけるコンサルティングができたものと考えています。
2. 民事信託の受託者名義口座の開設以前にもこのコラムシリーズで取り上げましたが、民事信託(家族信託)では受託者名義の金融機関口座の開設が必要になります。しかしながら、これについては各金融機関でその対応がまちまちであり、個別の折衝が欠かせません。本件でも、委託者ご夫婦の近隣金融機関に始まって、複数の金融機関に受託者名義口座の開設を打診したのですが、なかなか色よい返事を貰えず、最終的にある地方銀行の東京支店が受けてくれるまでそれなりの時間を要しました。
その金融機関では受託者名義口座にインターネットバンキングやキャッシュカードも付けられるということで、受託者であるご長男もあまりご不便を感じることなく済んだわけですが、中にはこれらのサービスが使えない金融機関もあるので、金融機関の選択も重要になって参ります。
3. 公証人からの信託契約内容への照会への対応私どもでは、お客さまのご意向をお聞きしてそれを信託契約書にすることのサポートをさせていただく際に、顧問の弁護士先生のご意見もお伺いしながら、しっかりと丁寧に対応させていただいております。
しかしながら、民事信託(家族信託)組成の最終段階、信託契約を公正証書で作成する際に、公証人の先生からいろいろなご照会が入って参ります。そこでは、公証人の先生と顧問の弁護士先生の間で各々の意見の調整を図りながら、できるだけ短期に決着を目指すことが重要になって参ります。
私どもでは顧問の弁護士先生に丸投げにする訳ではなく、しっかりと自らが信託契約の内容を理解しながら、公証人の先生からの照会にお応えしたことで、公証人の先生の信頼も得て、短期の決着が得られたものと考えております。
私ども日税グループでは信託に関するご相談を承っております。
ご相談段階では無料で対応させていただきますので、お気軽にご相談下さい!
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