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COLUMN

2023.03.07企業再生・経営

事業承継税制【確認申請】期限まであと1年

  • 事業承継税制

執筆者:株式会社日税経営情報センター



事業承継税制の確認申請は令和6年3月31日まで

平成30年(2018年)4月1日にスタートした事業承継税制の特例措置。
当初は特例承継計画の提出を伴う確認申請は令和5年(2023年)3月31日までとなっていました。

しかし昨年、令和4年(2022年)4月1日施行の改正施行規則により、特例承継計画の提出(確認申請)期限の期限は1年延長され、令和6年(2024年)3月31日までとなりました。

「まだ1年ある」と考えている関与先様、税理士先生も少なくないことと思います。
しかし、一部の関与先様にとっては「あと1年しかない」ととらえるべきです。


「あと1年しかない」その理由は

では、どのような関与先様が「あと1年しかない」ととらえるべきなのでしょうか?

それは以下の3パターンです。

(A) 親族に残すものと、従業員に譲るもの(MBO)を分けたい

(B) 複数の後継者に事業ごとに分けて承継したい

(C) 自社株の評価額を下げたい


(A)と(B)は会社分割など組織再編をおこなうことで実現可能です。
しかし、組織再編には3ヵ月以上を要します。

組織再編において、期間を要するのは、「事業スキームの立案から合意まで」と「債権者保護手続き」でしょう。
「債権者保護手続き」は官報への申込から公告まで2週間、公告期間は1ヵ月と、ある程度期間が読めます。


事業スキームの立案から合意まで

しかし、「事業スキームの立案から合意まで」は、先代経営者と後継者の間で、「どのように会社分割すると円滑に事業承継することができるのか?」の検討が必要です。

その実現のためのスキームとしては
  • タテの分割(分社型分割)とヨコの分割(分割型分割)
  • 承継会社を既存の会社にするか(吸収分割)、新設するか(新設分割)
などの検討も必要です。

そう考えると、「まだ1年ある」と悠長に構えてはいられなくなるわけですね。

また、「(C) 自社株の評価を下げたい」に関しては、役員退職金の活用、不動産や生命保険の活用という方法がありますが、適格合併という事業スキームを組み立て、繰越欠損金を利用して評価額を下げる方法もあります。


事業承継税制の認定取消事由に注意

今回は、下記3パターンに該当する関与先様に、「事業承継税制の申請前に組織再編の検討」を推奨してきました。

(A) 親族に残すものと、後継者(従業員)に譲るものを分けたい

(B) 複数の後継者に事業ごとに分けて承継したい

(C) 自社株の評価額を下げたい


注意していただきたいことは、事業承継税制により贈与税の納税猶予された後、会社分割、合併により消滅した場合は、事業承継税制の認定取消事由に該当するということです。

事業承継税制の確認申請の期限まであと1年、円滑な事業承継のために、早め早めの検討をお勧めいたします。





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