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COLUMN

2022.06.22企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.77

  • 借入金
  • 資金繰り

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
不動産会社の社長様からの相談。
社長は45歳、息子2人、奥様の4人暮らし。
東京の有名大学を卒業し総合商社に就職、その後、不動産販売会社に勤務後、独立。
社長名義で7,000万円の新築マンションを所有しているが、返済を始めたばかりで、6,500万円のローンが残っている。
会社の事業内容は、不動産のリノベーションと売却を行っており、今期の売上は12億円。平均の利益は1件あたり約400万円で年間の当期純利益は約4,000万円。従業員10名。現預金は5月末現在で1億5,000万円。
銀行からの借り入れ総額は15億円となっている。返済額は、1年間で元金の1億2,000万円を返済している。

■相談点
来期には現預金も底をついてしまい資金繰りが厳しくなると思われるのだが、打つ手はあるのか?

■アドバイス
  • 自宅を守るために個人所有のマンションは、名義を奥様に移す。
  • 今のペースだと借入れ返済に10年以上かかるが、銀行は問題視しない。所有物件を時価で再評価し、当期純利益+減価償却費で割って10以下ならば問題はない。
  • 年間で当期純利益が4,000万円出ているが、銀行への元金返済が1億2,000万円だとすると8,000万円不足する。この不足分に現預金を充当しても来年には資金繰りが厳しくなるので、元本返済を金融機関に待ってもらい経営を改善しなければいけない。銀行は、経営改善計画書を作って交渉をすれば返済を待ってもらうことができる。但し、今後の借入は困難になるので1件当りの売却益を上げることと、経費の見直しが必要である。
  • ビジネス上のアイディアとしては、年1回の売却で400万円の利益よりも200万円の利益がでる売却を2、3回することを目指す方が手元資金は楽になる。また、粗利益を向上させるために、ペットと住める家や高齢者にやさしい家等の特化した商品戦略が必要である。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。