MENU MENU

COLUMN

2022.05.25企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.76

  • 借入金
  • 税金

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
歯科医師からの相談。
先生は60才。奥様とは離婚し、ご子息は一人で歯科医として一緒に働いている。
別会社を経営している兄とは、2ヶ所の不動産の件で複雑な関係にある。
不動産の一つは渋谷にある住居用の物件で、二世帯住宅になっており兄夫婦と一緒に住んでいる。もう一つの物件は春日部にあり、兄が会社と従業員の寮として使っている。この建物を建てるために銀行から先生が1億円を借り入れ、兄とそれぞれ月に25万円を返済している。
渋谷の物件は、親からの遺産で20年前に取得、兄との所有比率は土地が半分、建物はゼロ。兄へ払うべき家賃は春日部の家賃と相殺ということになっているが、契約書は作っていない。
税金を2015年から2,000万円延滞しており、消費税や区民税の延滞も別にある。
メインバンクから3年前に1億円借りており、毎月100万円程を返済していたが、返済が苦しくなり銀行に交渉し来年3月まで60万円に減額してもらっている。
売上は6,000万円で利益は1,500万円、そこから税金400万円を払い、借入返済をする余裕のない生活を送っている。

■相談点
医院を継続していくためには銀行への支払いと税金の支払いをどのようにしていけば良いか? 不動産はどうすればよいか? 教えて欲しい。

■アドバイス
  • 相続税対策として渋谷の土地の権利分は息子さんに譲渡した方が良い。
  • 春日部の土地・建物について、返済を先生と兄がそれぞれ払っている状況だと借入返済が完了した後に求償権に基づいて兄は払った5,000万円を先生に請求できる。あるいは、相続人がそれを行う可能性がある。
    そうなると、今住んでいる渋谷の家を立ち退かなければならなくなる可能性がある。それを防ぐために賃借契約書を作って権利関係などをはっきりさせる必要がある。
  • 銀行返済の利息より税金の延滞税の方が高利率なので、税金の支払いを優先する。そのために“認定支援機関による経営改善計画策定支援事業”を活用して事業計画を作り、銀行に交渉し返済を遅らせ、支払いのための資金を作る。



※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



あわせて読みたい!
金融機関交渉Q&A vol.75金融機関交渉Q&A vol.73



サービスのご案内
日税事業承継支援サービス日税M&A総合サービスメールマガジンのご登録





vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー



免責事項について
当社は、当サイト上の文書およびその内容に関し、細心の注意を払ってはおりますが、いかなる保証をするものではありません。万一当サイト上の文書の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いかねます。
当サイト上の文書および内容は、予告なく変更・削除する場合がございます。また、当サイトの運営を中断または中止する場合がございます。予めご了承ください。
利用者の閲覧環境(OS、ブラウザ等)により、当サイトの表示レイアウト等が影響を受けることがあります。
当サイトは、当サイトの外部のリンク先ウェブサイトの内容及び安全性を保証するものではありません。万が一、リンク先のウェブサイトの訪問によりトラブルが発生した場合でも、当サイトではその責任を負いません。
当サイトのご利用により利用者が損害を受けた場合、当社に帰責事由がない限り当社はいかなる責任も負いません。

松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。