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COLUMN

2022.02.23企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.73

  • 借入
  • 在庫

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
創業80年を迎えた製造業の社長様からの相談。
現社長は3代目で47才、家業を引継いで10年となる。奥様と中学生の二人のお子様と四人で暮らしている。
資本金3,000万円、前期に比べると今期の売上は3億円と上向いているのだが、営業利益を見ると2,000万円の赤字であり、有利子負債は機械設備購入のため、4 億円を超えてしまっている。
売上は上がってきているのだが、営業利益が今期、大きなマイナスになったことに危機感を感じている。

■相談点

① 機械設備購入のために多額の借入をしてしまったことは、まずかったのだろうか? 借入金の適正な額はどれくらいなのだろうか?

② 在庫が利益を圧迫していると思うのだが、適正在庫はどれくらいなのだろうか?


■アドバイス

① 経営において機械設備購入のために借入をするのは悪くない考えだが、2つある工場の機械設備の償却期間の中で、交換・維持・補修費を考えて資金計画を立てるのが本来の考え方である。
例えば、修理に必要な資金を借りて、運転資金に使うというようなことはやめておくべきである。
償還年数は10年と考えることが基本。税引き後の利益が1,000万円ならば、1億円までが上限借入金額である。


② 在庫=製品+仕掛品+原材料となり、御社では昨年度5,000万円となっている。例えば、当月1日に材料を購入し、翌月1日、翌々月1日、翌々々月1日に商品が売れたと簡易的に考えることで、商品回転率は12ヶ月間に何回売れたかとして計算できる。
商品回転率が高いほど、すぐに売れるということなので在庫は少なくなり、倉庫代、管理費、経費等が少なくなる。また、運転資金を少なくできるので銀行から借入をした場合、掛かる利子が軽減される。
では、適正な製品在庫はどの位かというのは、お客様に迷惑を掛けない範囲の在庫ということになる。粗利益を確実に出すためには、月商の1ヶ月分以内ということになり、現在は倍の数字なので多すぎる。
どうやって適正在庫を見つけるかについては、3年間の仕入れ、払い出しを商品別、顧客別に見て分析することが必要になる。仕掛品については、月初めに作って月末までに売ればゼロになる。




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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。