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COLUMN

2022.04.27企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.75

  • 廃業

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
1年前に開業したばかりのケーキ店経営者の社長様からの相談。
社長は50歳、既婚で3人の子供がいる。ホテルの飲食部門で商品開発に携わり、パティシエとしての腕前も評価されていた。
以前から自分の店を持つ夢があり、金融機関からの創業融資を受け昨年独立。店舗は30坪、保守金は500万円で月々の家賃は50万円。
現在、金融機関からの借入が3,000万円、銀行のカードローン残高が500万円。
10年固定型住宅ローンを組んで3,000万円で自宅を購入して7年目、月々の返済が12万円、ローン残高は1,000万円。家にはその他の抵当権はついていない。

■相談点
1年間営業をしたが、借金が嵩むばかりなので廃業を考えている。現在の膨大な借金をどうしたら良いか? 自宅は売らなければならないのか? 教えて欲しい。

■アドバイス
  • パティシエとしての腕を活かして、住宅ローン12万円と生活費20万円を合わせて手取り32万円給料としてもらえるケーキ店を探し、就職する。
  • 住宅は住宅ローンの借入残金と時価がほぼ同価値なので、競売への恐れはそれほど大きくはない。
  • ケーキ店でパティシエとして働きながら、半年から1年後に“給与所得再生手続き”を行う(弁護士に50万円程で依頼するか自己で裁判所などに相談しながら知識を着けて対応)。そうすれば、その時の支払い算定基準は可処分所得なので、金融機関からの借入残額3,000万円が150~500万円に減額される可能性が高い。
  • カードローンについては、「廃業したので収入ゼロ」とこちらの窮状を訴えながら交渉し、“月に1,000円支払い”とし、1年後に“借入残金の1割程度へ減額” 和解を目指す。
  • 金融機関対応については、廃業後、保証協会や公庫と交渉し、「月に3,000円の支払いで交渉し、5,000円の支払いで妥結」を目指す。
  • 現在の店舗を居抜きで造作譲渡先を探す。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。