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COLUMN

2022.03.23企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.74

  • 債務超過
  • 倒産

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
創業40年を迎えた人材派遣業の社長様からの相談。
前期は経常利益5千万円の黒字を出したが、通期では500万円の赤字になっている。今期は2月の月次試算表で5千万円の赤字になってしまい債務超過に陥った。
資本金は5千万円。決算月は8月であと4ヶ月あるが今期の債務超過は避けられない状況。
現時点の銀行借り入れは3億円あり現預金は7千万円となっているが6月末では2千万円ほどになってしまう。
7月からは取締役であった人間が自分の会社を設立し80%以上の社員がその会社に移ることになっている。社長に資産はない。

■相談点
会社の倒産をどう進めていけばよいのか全く知識がないので、手順を教えて欲しい。

■アドバイス
  • 社長は倒産を前提に考えているが、財務諸表等を確認すると、資金繰りの改善と経費の削減と利益率向上の可能性があり、加えて銀行債務のリスケを行うことで、会社が倒産ではなくて再生する可能性は充分にある。
  • 現時点で7千万円の運転資金があるが、これがゼロを下回らなければ倒産はない。
  • 資産がないということは銀行から取られるものがないという見方もでき、税務署は法律で会社を倒産に追い込むような取り立てはできない。

■具体的施策
  1. 資金の日繰表を作り、月間で最低限必要な資金額を把握するのと5千万円の運転資金を確保する。
  2. 各取引先に入金を早く、出金を遅くするように交渉し、資金繰りを改善する。
  3. 再建計画(売上向上+経費削減のプラン)をたてて、銀行の元金・利息の支払いを3年待ってもらう様に交渉する。まずは引き落とし口座の残高をゼロにし、今月の元金支払いをなくす。
  4. 買掛金の内容を精査する。
  5. 全経費を費用対効果で精査して効果が低いものは削除する。給与の削減ではなく無駄の削除で対応する。
  6. 継続会社を作り、信頼のおける人間をその会社の代表にすることもできる。



※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。