本コラムは、M&Aキャリア25年超の当社のシニアマネージャーが執筆しております。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。
前回のつづきをお送りいたします。
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■≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―②4. 売手企業オーナー経営者にとっての『5W1H』とは?売主にとっての『5W1H』とは、具体的に述べますと以下のとおりです。
ここは、今回のコラムのメインテーマとなりますので、少し長くなりますが、詳しく説明させていただきます。
①『When(いつ)?』
いつまでに売却したいのか、その時期についての問題です。
オーナー経営者が希望する売却時期や引退時期をいつまでとしたいと考えているのか。その目処はどのようなことによるものなのか。
第三者承継できた場合でも、オーナー経営者自身の引退時期を考えてのことなのか、それとも健康状態を考えてのことなのか、ライフスタイルの問題なのか、家族の介護の問題なのかなど、公私を問わず様々な事情があるのでしょう。
そして、その売却時期は絶対に譲りたくない条件のひとつなのか、売却時期の問題は優先順位としては低いほうなのかどうかなども明確にしておく必要があるでしょう。
ある程度時間をかけられる場合には、中長期的な視点に立って多くの選択肢を持つことができるのでしょうが、時間的に限られている場合には短期間のうちにそのタイミングである選択肢の中から判断しなければならなくなります。
最悪の場合には、選択肢がひとつしかないときもあるかもしれません。
いずれにしましても、中長期的な視点で動ける場合とは異なり、多くの選択肢の中から余裕をもって検討できない場合が多いため、『When?』という問いに対して判断基軸を明確にしておかなければ、いよいよ判断しなければならない局面に立たされたときに冷静に判断することができなくなってしまうかもしれません。
相手先との間で交渉協議がある程度進んでいくと、当事者ほど、これまでの交渉経過に流されて客観視できなくなってしまうことがあります。
そのような場合こそ、顧問税理士先生やM&Aアドバイザーへの相談が重要になってくるのです。
顧問税理士はオーナー経営者と長年お付き合いがある先生であれば、公私にわたり諸事情もよくよくわかったうえでの相談が中心になるでしょうし、M&Aアドバイザーへの相談は、そうした諸事情にはあまり精通していないものの、M&A案件を客観視でき、それまでのアドバイザーの経験から得られた知見を踏まえたアドバイスを期待することができます。
そのため、顧問税理士先生やM&Aアドバイザーへの相談は、オーナー経営者にとって有益な判断材料を得る機会となるでしょう。
しかしながら、案件検討初期段階において、この『When?』の問いについてしっかりと自分なりに考え、その時点での方針を固めておかなければ、顧問税理士先生やM&Aアドバイザーへの相談がオーナー経営者の判断材料として有益に働かないだろうと思われます。
したがって、自身で結論を導き出せるようにするためには、案件検討当初から『When?』について自らの方針を持っておくことが肝要だと考えます。
・・・つづきは次回、『≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―④』でお送りいたします。
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