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COLUMN

2021.01.12M&A全般

≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―②

  • M&A

本コラムは、M&Aキャリア25年超の当社のシニアマネージャーが執筆しております。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。




前回のつづきをお送りいたします。

↓前回分はこちら↓
 ■≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―①



3. 『5W1H』はどんなところで生かされるのか?

『5W1H』が生かされる局面は最低でも2回は訪れます。第一の局面は検討初期段階、第二の局面は相手先との交渉協議においてです。

第一の局面である検討初期段階については次のとおりです。
中小企業M&Aの案件に係わるスタッフは、社内の主要メンバーはもとより、フィナンシャル・アドバイザー(FA)や仲介者のみならず、弁護士、公認会計士・税理士などの専門家を加えると片側だけのスタッフでも立場の異なる複数のスタッフによってチーム構成されます。
そうしたスタッフをFAや仲介者がチーム全体をコーディネイトしていくことになりますが、チーム全体を取りまとめていくためには、取り組むM&A案件の性質や状況などをチームメンバーにすぐさま理解させて徹底し、有機的に連携しつつ機動的に成約(クロージング)に向けた活動を促進させる必要があります。

売手側のオーダーの想いに寄り添い、理解に齟齬(そご)なく効率的にチームを動かしていくためには、案件検討初期段階においては、まずもって、この『5W1H』についての理解が重要な働きを駆動させる設計図を描くための骨格(スケルトン)となります。
次に『5W1H』がその役割を発揮するのは、第二の局面である相手先との交渉協議の後半の段階においてです。『5W1H』の問いは、相手方との交渉協議の後半戦の局面において最も重要な役割を果たしてくるものと考えております。

一般にM&Aの成約までには、野を越え山を越え、それなりの時間がかかります。M&Aの成約までにかかる期間というものは一様ではありませんが、おおよそ6か月から1年はかかるものだと思われます。

売手側の立場で申し上げるにしても、もちろん幸運にも6か月を要さずに話がまとまる場合もあれば、なかなか売却対象会社に相応しい買手候補先企業に恵まれず、1年以上の期間を要する場合もあります。
残念ながら、結果的にM&Aでの売却を断念せざるを得ない場合も無い訳ではありません。

このことは、買手側の立場で申し上げる場合には、もっと時間がかかることもままあります。さらにいえば、売却側とはやや按配も異なり、買いニーズとして伺っていても、なかなか現実的にはご希望のニーズにマッチした売却対象会社を探し当てることが難しい場合もあります。

買手側の場合には、売手側よりもM&A成約の打率は遥かに高くはないといえるでしょう。一体なぜなのでしょうか。
それは、M&Aニーズの需要と供給のバランスの格差があまりにも大きいからです。
M&Aの売り買いニーズについては、よく売却案件1件に対して買いニーズ先は10社だとか100社だとかといわれるくらい、売りニーズの件数に対して買いニーズの件数は数多いといわれます。
実際にそれが100社なのか、1,000社なのかは特段根拠のあるデータに基づいていわれている訳ではなく、個々のM&A仲介機関などによって差はありますので一様にいえるものではありませんが、概して大きな格差があることは間違いないように思われます。
私も長くM&Aアドバイザリー業務に携わっておりますが、どの機関に所属していてもそうした傾向にあまり変わりはありませんでした。

また、公開会社の売買取引を司る証券取引所制度や鮮魚や青果などの食品類を扱うような中央卸売市場制度が、M&Aの売り買い市場というものが制度としてないためです。M&A業界では、大手のM&A仲介機関などの個々の企業では独自の売り買いサイトなどをHPなどで公開しています。また、中小のM&A仲介機関やM&Aアドバイザリー業務を手掛けている経営コンサルティング会社などでは、独自に売り買いのマッチングを個別に行っているというのが実態です。


 ・・・つづきは次回、『≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―③』でお送りいたします。





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