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COLUMN

2023.03.09税務コンサルのポイント

【事業承継スキーム】キャプティブを利用した国外への資産移転の問題点

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 事業承継スキーム

執筆者:伊藤俊一 先生
※伊藤先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。


Q. キャプティブを利用した国外への資産移転の問題点

表題の件につきご教示ください。


Answer

下記です。

【解説】
キャプティブは一般的には特定の者、特定のグループのみのリスクを主として付保するために、主にオフショアに設立される(ドミサイルといいます)保険会社のことです。

キャプティブには様々な形態がありますが、シングル・ピュア・キャプティブを例にとると、極端に低いリスクに対し高額な保険料を払いこむ保険を組成させることができ、リスク引き受けの公正価格をこえる部分は運用に回すことも可能といわれています。当該部分がオフショアへの資産移転に利用されているケースもあるようです。

タックスの問題は極めて複雑になっています。当局は公式な見解を出しておらず、過去の裁判例等も皆無です。
一方で、米国では1962年の内国歳入法においてシングル・ピュア・キャプティブ保険会社へ支払われる保険料の場合、親会社グループにおいて損金不算入とされています。

我が国でも当該保険料の損金性について論議が起きているため今後の動向(特にBEPS)に注視が必要な商品の1つといえます。


※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。