執筆者:伊藤俊一 先生
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Q. 個人事業主に外国子会社合算(CFC)税制が適用された事例:レンタルオフィス事件との比較
〇平成25年5月29日東京高裁 レンタルオフィス事件における「証拠」の論点
CFC における適用除外要件を満たす資料の保存義務規定について、当初の当局調査時点では資料の提出はありませんでした。しかし、裁判において書証として当該証拠が大量に提出された結果、納税者の主張が認められた事案です。
本件で当局は、適用除外要件を満たすことの主張立証責任は納税者にあるものと主張しましたが、裁判所はこれを明確に否認しています。当局はまた、租税条約上の情報交換の回答を証拠として提出しましたが、証拠価値が薄いものと判断しております。
すなわち、資料保存要件が付されているにもかかわらず、当局調査において当該資料の提出がなかったことについては判示では言及されなかったのです。
証拠の疎明という点で最判平成16年12月16日消費税法第30条第7項に係る判決(当該判決は平成17年3月10日最判(青色申告承認取消事由としての「保存」の意義)と同義)と比較すると興味深いものがあります。
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税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。