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COLUMN

2023.01.25企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.84

  • 相続
  • 事業承継円滑化法

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
小売業を営まれている次期社長様からの相談。
創業者で筆頭株主の祖父が今年の1月に他界。祖父の10,000株を相続で引き継ぐ予定である。株主は、親族が中心であるが同族以外も大勢存在する。
相続人は、祖母、母、相談者、妹の4名。親族は仲が良いので相続で揉めることはない。
祖父の会社株以外の持ち物は、現金資産、土地、家、株。会社の株は相談者が相続し、不動産には両親が住んでいるので祖母か母が相続することになる。
総株数が4万株、株価は1株2万円なので、10,000株を相続すると2憶円に対する税金が発生する。
繰越欠損金はない。

■相談点
  1. 創業者の持株を引き継ぐ際に事業承継円滑化法を使う方が良いのか? 相続税を払ってしまうべきなのか? 申請も手間がかかるようなのでどうすれば良いか?
  2. 株主が多いので、贈与で株を買い集めようと思っているのですが?
  3. 祖父の死亡退職金を出し、株価を下げても問題はないか?

■アドバイス
  1. 使うべきである。理由は2つあり、将来的に法律は活用する側にとって優位に変わる可能性が高いということと、相談者が亡くなった場合には免除になる。申請に掛かる費用は相続税に比べればどうということはない。一般的には相続税が払えない人が大半なので取り敢えず繰り延べ、血縁者でも良くなっている。

  2. 株を集めることは必要。現在、相談者が祖父の株を引継いでも株式保有比率30%なので、経営権を握るためには、51%まで買い集める(残り21%、8,400株)必要がある。元専務の持ち分3,000株は親族ではないので株価の半分以下での買い取りもOKなので、金額に折り合いをつけて買い取る。加えて、残り必要な株数は、低廉譲渡に当たらない必要金額を相談者が個人で会社から借入れて買い取り、返済は役員報酬を上げることによって調整する。会社が株を買って償却する方法も繰越利益剰余金が1憶円あるので可能であるが、これを行うことによって事実上株価は上がってしまう。

  3. 問題はない。2万円の株価が下がるので相続の際に有効であるが、他の5人の相続人に株価が下がることを納得してもらう必要がある。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。