MENU MENU

COLUMN

2022.12.07税務情報

設備投資に対する税制上の優遇措置

  • Actus Newsletter
  • 税制優遇

執筆者:アクタス税理士法人
※アクタス税理士法人についての情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。



テレワークなど働き方の変化への対応やインボイス制度、電子取引などの新たな制度への対応のため、企業ではクラウドシステムなどの新たなシステムの導入や既存システムを改修する機会が増えています。企業の生産性を高めるこのような設備等の取得を支援するために国や地方自治体では、税制優遇制度や補助金などでその後押しをしています。その中から今回は、中小企業向けの設備投資税制を整理しお伝えします。

■中小企業者等の設備投資に関する税額控除等の優遇税制
インボイス制度や電子帳簿保存法の電子取引への対応のため、会計システムや請求書発行システムなどのソフトウェアへの投資が増加しております。このようなものを含め、中小企業者等(資本金が1億円以下の普通法人などをいいます。)向けの設備投資に対する税額控除等の優遇措置は、主に次のものがあります。


■固定資産税(一定の償却資産と事業用家屋)の課税標準の特例
適用対象法人が労働生産性を一定程度向上させるために必要となる生産や販売活動等に直接使用する一定の設備等を導入する計画を策定・申請(導入計画の申請には工業会等の証明書が必要)し、認定を受け、取得等した設備等については、固定資産税の課税標準が3年間ゼロ~1/2となる特例措置があります。(軽減率は市町村の条例で各々定められています。)


■少額減価償却資産の特例
青色申告法人である中小企業者等は、取得価額30万円未満の少額の減価償却資産につき、取得価額の全額を事業の用に供した事業年度の損金にすることができます(適用事業年度の合計額が300万円が限度)。なお、IT導入補助金など国等からの補助金を活用して固定資産を取得等した場合、取得に充てた補助金の額を取得価額から減額し30万円未満であれば、少額減価償却資産の特例の適用が可能です。

■中小企業防災・減災投資促進税制
青色申告法人である中小企業者が、令和5年3月31日までの間に事業継続力強化計画等の認定を受け、計画認定日以後1年を経過する日までに、災害への事前対策強化のための防災減災設備(自家発電設備や制震免震装置等)を取得等し事業供用した場合、取得価額の20%の特別償却が適用できます。


-Q&A-

Q1. AIやクラウドシステムなどのデジタル技術への投資に対する優遇税制はありますでしょうか。


デジタルによる企業変革(デジタルトランスフォーメーション(DX))の実現を支援するためにデジタル技術への投資に対する優遇税制として、DX投資促進税制が用意されています。この税制は、産業競争力強化法に基づく事業適応計画の認定を受け、AIやクラウド技術を活用し、データの連携や共有等、業務のデジタル化を行うために必要となる一定の資産を取得等した場合に適用を受けることができます。


Q2. 中小企業経営強化税制と他の税制との重複適用は可能ですか。


同じ減価償却資産で2以上の特別償却や税額控除に係る税制の適用を受けることはできませんが、固定資産税の課税標準の軽減措置とは重複して利用することが可能です。

Q3. 経営力向上計画とはどういった内容のものでしょうか。


「経営力向上計画」とは、経営力向上のための人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上、設備投資等により事業者の生産性を向上させるための取り組み内容を記載した事業計画です。経営力向上設備等の取得は経営力向上計画の認定後に行うことが原則ですので注意が必要です。

Q4. 少額減価償却資産の特例を適用した資産に固定資産税(償却資産税)は課税されますか。


有形減価償却資産について少額減価償却資産の特例を適用した場合には、固定資産税(償却資産税)の課税対象となります。また、取得価額が10万円未満のものを一時に損金算入した場合や、取得価額20万円未満のものを3年で損金に算入する規定を適用した場合には、有形減価償却資産であっても固定資産税(償却資産税)の対象にはなりません。

Q5. 設備投資について国からの補助金等はどのようなものがありますか。


中小企業や小規模事業者が、ITで業務効率化やデータ活用、インボイス制度への対応など、自社のニーズに合ったソフトウェアなどのITツールを導入する経費の一部を補助するものとしてIT導入補助金があります。インボイス制度への対応を見据え、デジタル化基盤導入枠として会計ソフトや受発注ソフト、レジの導入支援などへの支援が拡充されています。




本記事は、アクタス税理士法人より掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。
なお、アクタス税理士法人に関する情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。

▼アクタス税理士法人 ホームページ
https://www.actus.co.jp/library/knowledge/list.shtml




あわせて読みたい!
共通ポイント制度の税務上の取扱いインボイス制度 免税事業者との取引について



サービスのご案内
日税従業員持株会設立・運営支援サービス日税事業承継支援サービスメールマガジンのご登録



免責事項について
当社は、当サイト上の文書およびその内容に関し、細心の注意を払ってはおりますが、いかなる保証をするものではありません。万一当サイト上の文書の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いかねます。
当サイト上の文書および内容は、予告なく変更・削除する場合がございます。また、当サイトの運営を中断または中止する場合がございます。予めご了承ください。
利用者の閲覧環境(OS、ブラウザ等)により、当サイトの表示レイアウト等が影響を受けることがあります。
当サイトは、当サイトの外部のリンク先ウェブサイトの内容及び安全性を保証するものではありません。万が一、リンク先のウェブサイトの訪問によりトラブルが発生した場合でも、当サイトではその責任を負いません。
当サイトのご利用により利用者が損害を受けた場合、当社に帰責事由がない限り当社はいかなる責任も負いません。

アクタス税理士法人

アクタスは、税理士、公認会計士、社会保険労務士など約140名で構成する会計事務所グループです。
オフィスは、東京の赤坂・立川・大阪・長野の4拠点。
中核となる「アクタス税理士法人」では、税務申告、連結納税、国際税務、相続税申告など専門性の高い税務コンサルを提供しています。経営コンサルの「アクタスマネジメントサービス」、人事労務業務の「アクタス社会保険労務士法人」、システムコンサルの「アクタスITソリューションズ」の4つの組織が有機的に連携し、経理、人事、総務業務に対するワンストップサービスを提供しています。
「常にお客様の立場で考え、独創的な発想で、満足度の高いサービスを提供し、お客様の成長と発展のために行動する」ことをモットーとしています。

[連絡先]
アクタス税理士法人
〒107-0052 東京都港区赤坂4-2-6 住友不動産新赤坂ビル
電話 03-3224-8888
URL: http://www.actus.co.jp/  Mail:info@actus.co.jp