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COLUMN

2021.06.15M&A全般

≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―⑦

  • M&A

本コラムは、M&Aキャリア25年超の当社のシニアマネージャーが執筆しております。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



前回のつづきをお送りいたします。

↓前回分はこちら↓
 ■≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―⑥


⑤『Why(どうして)?』

『Why(どうして)?』とは、売手側でいえば売却の動機を意味します。『Why(どうして)?』という問題は、これまでの『4つのW(When、Where、Who、What)』とは趣が異なります。
それは、『4つのW』が、それから先に進むM&A戦略のデザインを設計するうえでの中心テーマとなるからです。一方、『Why(どうして)?』はM&A戦略のデザインのモチーフ(motif)となるものとなります。

油絵に例えれば、『4つのW』は描かれる対象物ですが、一方、「Why」は、いわば描いたものの背景図です。『4つのW』が主体なのに対して、『WhyのW』は客体だといえそうです。(注1)
油絵は、主体と客体が一体的に描かれてこそ絵画として完成されます。
絵の主体は、上述の『4つのW』という4つの絵の具で描かれますが、背景図である客体も『WhyのW』という絵の具が使われます。
オーナー経営者の背景図にもなにがしかの絵の具が使われて心象風景が描かれているのです。その心象風景がどんな色合いの背景なのかを『見える化』することが重要なのです。

主体の色合いは、「4つのW」の絵の具が合成されて様々な色合いを独自に醸し出して描かれます。
主体は、売主であるオーナー経営者がM&Aの検討初期段階において自ら描いていきます。
一方で、背景図はこれまでのオーナー経営者の半生ともいえ、自ら描いていくものではなく、過去において既に描かれているものといえます。しかも、客体は、主体のように色とりどりに描かれていることはありません。

オーナー経営者にとってM&Aというものは、それまでの人生の総括でもあります。そのため、独自の色が出ていることでしょう。背景図は彩鮮やかというよりも限りなく単色に近いものとして描かれていることが多いのだろうと思います。
売主となるオーナー経営者は、心象風景を客体に思い浮かべたうえで『4つのW』の主体を描いていきます。

税理士の先生やFAなどのM&Aアドバイザーとしては、その心象風景がどんな色合いをしたものなのか共感、共振したうえで、オーナー経営者が描いた主体である『4つのW』を理解する必要があるように思われます。そういうプロセスを踏まえたうえでないと、M&Aアドバイザーは『4つのW』の主体を真に理解できたことにはならないのではないかと考えます。

オーナー経営者の心象風景である背景図に使われている色合いから、どのような『Why(どうして)?』を読み取ることができるのでしょうか。
M&Aアドバイザーはこうしたオーナー経営者の『Why?』に描かれている心象風景をしっかりと見つめ、理解し、寄り添う必要があるように思われます。
そして、M&Aアドバイザーは、次に述べる『How(どのように)?』につなげていかないといけないのだろうと考えます。
『How(どのように)?』では、『5W1H』のなかでM&Aアドバイザーが主体となってM&A案件としてインキュベートする(incubate;孵化する、案件として育む、練る、企画する)という重要な役割期待を担っていくことになります。


 ・・・つづきは次回、『≪M&A道2丁目≫中小企業M&Aにおける5W1Hとは?―⑧』でお送りいたします。


注 釈

(注1)「主体」とは「自分の自由意思で行動するもの。」を意味し、「客体」とは「自分の外にあって、自分がそれを冷静に観察出来るすべてのもの。」を意味します。(出典):金田一京助著「新明解国語辞典 第四版」(1995年)






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