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COLUMN

2020.11.24M&A事例

M&Aの時期と準備について―②

  • M&A

本コラムでは、当社の経験豊富なシニアマネージャーが過去に携わったM&A案件を事例としてご紹介いたします。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。




前回のつづきをお送りいたします。

↓前回分はこちら↓
 ■M&Aの時期と準備について―①


結局、この会社はM&Aでの売却を諦め、その後に操業を停止して機械を撤去、工場を倉庫として賃貸するという方向を模索することになりましたが、たとえ借手が見つかったとしても立地条件を考慮すると良い賃貸条件を期待することは難しいかもしれません。

この例から言えることとしては、まずM&Aで会社の売却を試みる時期が遅いということ、さらにそれ以前のポイントとして、自社の競争能力や環境分析など会社の経営戦略としての対応が出来ていなかったことが挙げられます。

会社はかなり以前から悪化の傾向を示しているわけです。
この段階で様々な分析と対策が検討されていれば、たとえそれで改善出来なくとも会社売却という最終的手段に向けた準備をしっかりと出来た可能性があります。

経営者には、自分が経営する会社に対して様々な思いがあります。
創業者であれば創業以来今日までに幾つもの苦難を乗り越えて会社を回して来ましたから、現在直面する苦難に対しても乗り超える自信を持っているでしょうし、先代から承継した経営者であれば、自分の代で会社を外部に委ねるという決断は避けたいところかもしれません。

しかし、会社を取り巻く環境は容赦なく変化していきます。
今日のようなデジタル化時代にあってはその変化スピードは大変早いものがあります。
今年のコロナ禍のように予想もしなかった大きな変化に直面することもあるのです。
重要なことは、常に準備を怠らないということではないでしょうか。業績が好調で右肩上りの時に会社の売却をすすめるべきと言っているのではありません。そのあとの変化に対応できるように常に会社の分析そして磨き上げを怠らないことが、たとえ最終的に会社を売却する場合になっても上手く対処できることにつながるのではないでしょうか。






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