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COLUMN

2020.07.22企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.54

  • 経営
  • 廃業
  • 老後資金

本コラムは、当社「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
創業25年目のリフォーム専門店を経営している社長からの相談。
社長:70才、社員1名、息子:2名
年商:売上は1億円であるが利益が出ず、2期連続赤字
借入金:4,000万円


■相談点
日本政策金融公庫に4,000万円の借入があり月々50万円を返済している。この返済を行い、老後に備えるために会社をやめて唯一の資産であるビルを売却したいと思っているが、売却の相手方は6,500万円を提示してきている。社長は4,000万円程を手元に残したいと思っているが、6,500万円では負債を清算すると手元には1,000万円程度しか残らない。1,000万円では老後の生活ができない。ビルを売却する他に手立てはないか?


■アドバイス

①先ずは日本政策金融公庫へ行き、今月の返済は資金が底を付いたためできない旨を伝え、今月の返済を待ってもらう。

②税理士の先生に初年度はゼロで、2年目に250万円、3年目に500万円を返済する計画書を作ってもらい日本政策金融公庫に提出する。

③資料を見るとビルの購入を希望している会社は事業を継続する気はなく、建物をリフォームして売却する考えのようなので、ビルを売却するのであればビルを高く売ってくれる不動産屋を探した方が良い。しかし、ビルの立地が良いので、会社の入っている階以外を貸せば、月に50万円程度の家賃収入が得られる。




■指導のポイント

①老後の資金をいかに作るか? その金額はいくらか?

②自分が作業をしなくても良いビジネスモデルを作る。それは“マル投げ”スタイル。

その理由は

1)経営者が70才を過ぎている

2)社員が1名しかいない

3)自己資金が少ない

③先ず、毎月の資金繰りを回す計画を作る。次に銀行返済可能な利益を上げる方法を考える。








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日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。