本コラムは、M&Aキャリア25年超の当社のシニアマネージャーが執筆しております。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。
1. はじめに総務省は2019年10月1日時点の人口推計を発表しました(2020年4月14日公表)。外国人を含む総人口は、前年同月比で27万6千人少ない9年連続の前年割れだったようです。労働の担い手となる15~64歳の生産年齢人口は7,507万2千人で、総人口に占める割合は59.5%とこちらも過去最低を更新しました。65歳以上の高齢者も3,588万5千人で総人口に占める割合は28.4%で過去最高だったようです。
こうした人口減少と超高齢化が止まらない中、コロナ禍による近年になかった景気低迷により日本経済界はその根幹から大きく揺らいでいます。
今回のコラムでは、こうした外部環境が疾風怒濤のもとで躍動しはじめた国内の中小企業の経営課題解決を支援する事業承継型ファンドの新しい動きをみながら、第三者承継(M&A)のあり方を垣間見ていきたいと思います。
2. 国内M&A市場の動向国内のM&A市場についてはどうでしょうか。売手企業の業績低迷と買手企業の優先順位の見直しにより、今年のM&Aは低迷する可能性が指摘されています。一方で、産業構造の急激な変革を求められています。これから急激な業界再編が進むとの予想もあり、今年の国内M&Aでは、事業承継型、救済型の中堅中小企業のM&Aが急速に進むのではないかといった見方もあります。テレワークの急速な普及により一気に働き方改革が進んでいます。IT・情報サービス関連事業会社のニーズも高まっているようです。
コロナ禍による景気の不透明感が強まると「M&Aの買い手側が様子見姿勢を強め、案件成約が減るとの見方も強まり下落。」との話もありますが、他方で世界的にも一時的なバリュエーション低下とカネ余りから活発なM&Aにつながるとの期待があるともささやかれ始めているようです(注1)。
コロナショックがM&Aを停滞させるのか、それともより一層促進させるのか。M&Aアドバイザーの世界では、おそらく議論百出ではないかと想像しますが、どちらがどうか、といったことではないのかもしれません。
筆者は、今年のM&Aはそのどちらの要因も激しく交錯することが予想されるため、グローバル規模の大型M&Aの投資額は株価下落などの影響も受け大きく目減りする可能性はありますが、M&Aの件数については、むしろ中堅中小企業のM&Aが増加するのではないかと推測しております。
(注釈)
(注1) 出典は2020年4月14日付日本経済新聞社「市場点描 マーケットの話題『M&A仲介、活発化の観測』」
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