前回のつづきです。
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■その他のみなし贈与が生じる諸論点―①
(5) 失権株
同族会社の新株発行に伴う失権株に係る新株発行が行われなかった結果、新株発行割合(新株発行前の当該同族会社の発行済み株式総数に対する新株発行により引受けのあった新株の総数割合)を基準として、その割合を超えた割合で新株を引き受けることになった者があるときは、その者のうち失権株主の親族等については、当該失権株の発行が行われなかったことにより受けた利益の総額のうち、決められた計算式により算出した金額に相当する利益をその者の親族等である失権株主のそれぞれから贈与によって取得したものとして取り扱われることになります。
失権株になってしまった部分を再募集しないですむこともできます。増資株数が予定株数に満たないまま、切捨て増資として完了した場合、失権株が再発行した場合に受けたであろう利益の総額を計算して、その金額に相当する額が失権株主からの贈与とみなされます。
計算式は
①その者が受けた利益の総額
②親族等である失権株主それぞれから贈与により取得したものとする権利の金額
等に分けて計算をします。(注1)公益財団法人日本税務研究センター 相談事例Q&A より筆者改変
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税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。