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COLUMN

2019.04.02産業情報

改正水道法のポイント~国内水道業界への示唆~

  • Mizuho Short Industry Focus
  • 経済情報

Mizuho Short Industry Focus 171号
改正水道法のポイント~国内水道業界への示唆~

2019年3月26日 発行

【要約】

◆2018年12月6日、水道法の一部を改正する法律案(以下、「改正水道法」)が成立し、水道事業において官民連携手法の一つであるコンセッション方式の規定が明確化された。


◆コンセッション方式は、2011年に改正PFI法(※1)で創設されたPFI手法の一類型である。料金収入等がある施設の運営において、運営権を民間事業者に設定し、施設の運営を委託する方式である。水道分野では、生活に必要不可欠な水道インフラの運営権を民間に設定可能とするものであることから、大きな注目を集めている。


◆日本の水道事業においてコンセッション方式の導入が進めば、国内水道事業を取り巻く事業環境に大きな変化が見込まれる。施設の工事や委託の発注者が、「地方公共団体」から運営権を設定された民間の「運営権者」へ変わり、従来の公共の原則に捉われない調達の柔軟化及び合理化等が行われる可能性がある。既にコンセッション方式が事業化された「空港」や「下水道」分野のように、異業種や海外からの新規参入が予想される。


◆こうした水道事業への参入機会拡大における民間事業者の戦略として、案件組成段階からの仕掛けによるリスクテイク領域のコントロール、戦略的パートナーシップの構築、新たな技術・テクノロジーの活用が重要と考えられる。


◆今後人口減少により厳しさを増す水道事業において、水道法で定める「清浄で豊富低廉な水」の供給を持続させ、経営基盤を強化する為に、民間の技術・経営ノウハウを活用する官民連携は不可欠であろう。コンセッション方式を通じて、水道オペレーターが産業として成長し、適切な官民の役割分担のもと、持続的に水道の安定供給が行われていくことを期待したい。


※1 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」を通称「PFI(Private Finance Initiative)法」と呼ぶ。


・・・内容はPDFをご覧ください。

みずほ銀行 産業調査部

※本記事は、みずほ銀行より掲載許可をいただき、同行ホームページで公開されている記事を転載したものです。
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/index.html