31年度税制改正大綱の住宅税制周辺の整理をします。
■(中小・個人向け・事務負担減)給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書について、次に掲げる事項の記載を要しないこととされました(大綱P19~)。
(ⅰ)住宅の取得等をした年月日
(ⅱ)住宅の取得等をした家屋をその者の居住の用に供した年月日
(ⅲ)住宅の取得等(住宅借入金等に当該取得等とともにする当該取得等をした家屋の敷地の用に供される土地等の取得に係る住宅借入金等が含まれる場合には、当該土地等の取得を含む。)の対価の額又は費用の額
(ⅳ)住宅の取得等をした家屋の床面積
(注)
上記の改正は、平成31年4月1日以後に提出する給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書について適用されます。
■(中小・個人向け・事務負担減)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除証明書の記載事項は、次に掲げる事項であることと法令上、明確化されました(大綱P20~)。(ⅰ)住宅の取得等をした家屋をその者の居住の用に供した年月日
(ⅱ)住宅の取得等の対価の額又は費用の額
(ⅲ)住宅の取得等をした家屋の床面積のうちにその者の居住の用に供する部分の床面積の占める割合及び住宅の取得等をした家屋の敷地の用に供する土地等の面積のうちに当該居住の用に供する部分の面積の占める割合
(ⅳ)住宅借入金等が連帯債務である場合には、その負担部分の割合
(ⅴ)その他参考となるべき事項
(注)上記の改正は、
居住年が平成31年以後である者に対し、平成32年10月1日以後に交付する住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除証明書について適用されます。
■(中小・個人向け・減税)所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する土地収用法の特例の規定による収用があった場合には、
収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除等を適用されます(法人税についても同様とします)(大綱P20~)。
(注)上記の改正は、
平成31年6月1日以後の譲渡について適用されます。
(参考・コメント)○要するに所有者不明土地については土地収用法に基づく収用等の場合と同様の税制上の特例措置ができたということです。
■(中小・個人向け・減税)空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及びその家屋の敷地の用に供されていた土地等は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとして本特例を適用するほか所要の整備を行った上、その適用期限を4年延長することとされました(大綱P21~)。
① 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。
② 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。(注)上記の改正は、
平成31年4月1日以後に行う被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。
(参考・コメント)○被相続人による「
その者(被相続人)による一定の使用がなされ」がなされることが必要です。
○上記の具体的な証明方法が現時点では不明です。
○上記②の要件は「いつでも戻れる」「調子が良ければ戻れる」といった考え方なのでしょうか。