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COLUMN

2019.01.22企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.39

  • 事業承継

本メルマガは、当社「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
業種:サービス業
年商:20億円
借入残高:4億円
連帯保証人:社長62歳・奥様63才
後継者:息子36歳  ※その他に次男、長女

■相談点
会社の株を後継者に確実に移行したい。

■状況
●株式割合
 現社長:60%、奥様:10%、長男:10%、次男:5%、長女:5%、その他:10%
●事業承継は3年後の予定
●現社長の資産は

1) 会社の株

2) 会社の不動産:5,000万円相当

3) マンション:10室1棟、1億円相当

4) 自宅:3,000万円相当




■アドバイス

●適正な株価を算出する。現在の株価合計2億円(現社長の持分1.2億円)

●会社の株を除く相続資産合計:1.8億円

●相続人4名(母、長男、次男、長女)で現社長保有資産計3億円を下記のように将来に発生する相続に対して分割合意を取る。

1) 母親:マンション1億円相当。会社不動産5,000万円相当

2) 長男:会社株式(現社長の持分60%、1.2億円分。代償分割を活用)次男に現金で2,000万円を分割支払、長女に現金で5,000万円を分割支払。よって、長男は自分の持分と合せて70%の会社株式を所有

3) 次男:自宅3,000万円相当と現金2,000万円(長男よりの代償金)

4) 長女:現金5,000万円(長男よりの代償金)

●その他の10%の株を金庫株として会社が買い取る。

●代償分割の現金支払い分7,000万円が必要。資金の手当は5年後の現社長の退職金の一部と銀行借入によって賄う。退職金の原資は生命保険の解約返戻金。

●3年後の長男への事業承継時 “経営承継円滑化法”の会社贈与の規定を活用して、株価を現在価値で固定し贈与税を発生させない工夫をする。





vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー


松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。