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COLUMN

2023.12.26税務情報

所得税の還付申告について

  • 税務情報

執筆者:アクタス税理士法人
※所得税の「確定申告」は、通常2月16日から対応が開始されますが、所得税の「還付申告」は、年明けから提出ができるようになります。サラリーマンなどの給与所得者は、通常勤務先で年末調整されていますので、申告の必要はありませんが、医療費控除など年末調整では控除を受けられない項目があり、これらは自ら還付申告を行い納めすぎの税金の還付を受ける必要があります。今回は、確定申告によって還付できる方の例と、確定申告が便利にできるマイナポータルの連携について、ご紹介させて頂きます。


■確定申告を行うと税金が戻ってくる方の例
●特定の医薬品を服用している場合(セルフメディケーション税制)など医療費控除がある方
医療費控除は、病院や薬局などで医療費を支払った方を対象にしており、支払った医療費から10万円または所得金額の5%のいずれか少ない額を控除した額が医療費控除の対象となります。病院等の領収書は自宅で5年間保存すれば提出は不要です。医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制は、一定の条件を満たす(QA1参照)場合、特定の医薬品(頭痛薬や胃腸薬・解熱剤などの処方箋の必要がない市販の医薬品(スイッチOTC医薬品)など)を購入して、1年間の購入対価の合計が1万2千円を超えた場合、その超える部分の金額(控除限度額は8万8千円)を総所得金額から控除することができます。
●株式の配当がある方
株式などの配当金は、一律に税率20.315%の税金が源泉徴収されています。確定申告で総合課税を選択し配当控除(配当所得の10%)を受けることで、源泉徴収された税額の一部還付を受けることができます。今年は課税所得が695万円以下(目安)の方が還付申告のメリットを受けられることになります。
●証券会社等の特定口座で通算損失がある方
上場株式等の売買で損失が発生した場合、その損失は発生した年に申告することで、同年の上場株式等の配当所得等から控除可能です。控除しきれなかった損失は、翌年以後3年間にわたり上場株式等の譲渡益及び上場株式等の配当等から控除することができます。なお、NISA内で生じた損失は控除対象外となります。
●ふるさと納税などの寄付金を行っている方
国、地方公共団体(ふるさと納税)、日本赤十字社、公益社団法人、認定NPO法人などに対する寄付金、政治献金、災害義援金などが対象となります。確定申告には、寄付金の受領証や証明書が必要になります。
●住宅をローンで購入された方
住宅ローンによりマイホームを購入・増改築した場合は、年末借入金残高の0.7%(最大35万円)を税額から控除できます。住宅ローン控除を適用する最初の年は確定申告が必要です。

■確定申告のマイナポータル連携
●マイナポータル連携とは
所得税確定申告におけるマイナポータル連携とは、申告書作成に必要な生命保険料控除証明書等のデータをマイナポータル経由で取得する機能のことです。それにより国税庁が提供する確定申告書等作成コーナーで申告書を作成される場合は、取得したデータを申告書の該当項目へ自動入力することが可能です。
●マイナポータル連携の対象となる各種控除証明等のデータの具体例
マイナポータル連携の対象となる控除証明書等はそれぞれ次の通りです。年々対象となるデータは拡大しており、令和5年分より赤字のデータが新たに対象となりました。
●給与所得の源泉徴収票についての注意点
「給与所得の源泉徴収票」の情報が自動入力の対象になるためには、勤務先が税務署にe-TAX又は認定クラウド等により源泉徴収票を提出している事など一定の要件があります。原則として、従業員は年間の給与等の支払金額が500万円を超える場合に源泉徴収票を税務署へ提出しますが、500万円以下でも任意での提出は可能です。そのため、源泉徴収票を税務署へ提出をしているか勤務先に確認する必要があります。なお、源泉徴収票の提出有無を税務署にお問い合わせいただいてもご回答いただけないのでご注意ください。

本記事は、アクタス税理士法人より掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。
なお、アクタス税理士法人に関する情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。

▼アクタス税理士法人 ホームページ
https://www.actus.co.jp/library/knowledge/list.shtml




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