執筆者:アクタス税理士法人
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令和5年1月から、扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族は、年齢16歳以上30歳未満の人、年齢70歳以上の人に加えて、30歳以上70歳未満のうち、次の①~③のいずれかに掲げる人とされました。
①留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人、②障害者、③扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人
●住宅ローン控除の見直し
住宅ローン控除の要件のうち、下記の点が変更となりました。また、令和5年1月1日以降に取得した住宅については、年末調整時に提出していた「借入金残高証明書」の添付が不要となりました。
・住宅ローン控除の適用対象者の所得要件は合計所得金額3,000万以下から2,000万円以下へ変更
・借入限度額は住宅性能や居住開始年別に変更となり、控除率は1%から0.7%に変更
・控除期間について新築住宅は13年に延長、中古住宅は従来どおり10年
・「認定住宅」に加え、「ZEH水準省エネ住宅」と「省エネ基準適合住宅」が追加
■年末調整の電子化への対応
煩雑な年末調整手続きの簡便化効率化のため、令和2年10月から年末調整書類を電子で作成・申告を行うことが可能となりました。また、令和3年度分より、2年前に発行した給与の源泉徴収票等の法定調書が種類別に100枚以上ある企業は、法定調書の電子申告が義務化され、年末調整業務についても書類の電子データでの作成提出について税務署長の承認が不要となり、電子化に向かう環境整備がされました。
法定調書の作成提出業務だけでなく、年末調整業務からの一連の業務を電子化するメリットは大きく、e-TAXの法人利用率が87.9%(令和3年度分)と年々電子化の流れが進んでいます。現時点では法定調書の電子データでの申告が義務化の対象ではない任意の企業でも、今後は年末調整を含めた電子化のより一層の推進が予測されます。
■年末調整の誤りやすいポイント
●扶養親族の要件となる「生計を一にする」の判定
扶養親族で要件となっている「生計を一にする」ことについては、必ずしも同一の家屋に起居しているということではなく、勤務や修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない場合であっても、生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
●遺族年金のある母親の扶養親族判定
合計所得金額の金額で該当を判定する扶養親族や控除対象配偶者について、その金額に所得税法やその他の法令の規定によって非課税とされる所得は含まれません。よって、非課税所得である遺族年金は含めずに扶養親族の判定をすることになります。
●共働き世帯において、子供がいる場合の所得金額調整控除の計算
共働き世帯において扶養親族の「扶養控除」の適用は、夫婦のいずれかで受けることになります。一方、所得金額調整控除(子ども等)の適用においては、扶養控除と異なり、扶養親族に該当する年齢23 歳未満の子がいる場合、夫婦の双方で所得金額調整控除(子ども等)の適用を受けることができます。
●扶養親族としている子どものアルバイト収入
扶養親族となるためには、対象者の合計所得金額が48万円以下(給与収入が103万円以下)でなければならないため、子どものバイト収入がその金額を超えていないか正確に把握する必要があります。
●親族等が契約者となっている生命保険契約等の保険料又は掛金
給与の支払を受けている人自身が締結した生命保険契約等の保険料又は掛金だけに限らず、給与の支払を受ける人以外の人が締結したものの保険料又は掛金であっても、給与の支払を受ける人がその生命保険料を支払ったことが明らかであれば、控除の対象とすることができます。
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