執筆者:アクタス税理士法人
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「インボイスには、①請求書発行者の氏名又は名称、②登録番号、③取引年月日、④取引内容(軽減税率の適用対象である旨)、税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜又は税込)及び適用税率、⑤税率ごとに区分した消費税額等、⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称を記載する必要があります。現行の区分記載請求書等保存方式による請求書に、登録番号と適用税率、税率ごとに区分した消費税額等を加える必要があります。記載事項をひとつの書類のみで満たす必要はなく、相互の関連を明確にし、取引内容を正確に認識できれば、複数の書類をもって記載事項を満たすことができます。
■インボイスの端数処理
インボイスは、記載する「消費税額等」の計算方法が定められており、取引に係る税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額に10%又は8%(税込の場合は10/110または8/108)を乗じて1円未満の端数処理を行い算出します。そのため、端数処理は1つの適格請求書につき、税率ごとに1回行うことになり、例えば1つの請求書に記載される個々の商品ごとに消費税額等を計算、端数処理することは認められないことに注意が必要です。端数処理の方法は任意の方法とすることができ、切上げ、切捨て、四捨五入などのいずれの方法も認められます。
■交付義務の発生時期
新たな猶予措置によって保存要件が不要となる場合や、出力書面の整理等によって検索要件が不要となる場合でも、今までの宥恕措置のように書面のみの保存は認められず、電子データそのものを保存しておき、提示等ができるようにしておく必要があります。また、出力書面をスキャナ保存することも認められません。
■交付したインボイスの控えの保存義務
インボイス発行事業者は交付したインボイスの写しの保存義務があり、書面又は電子データでの保存が認められます。電子データで保存する場合は電子帳簿保存法に準じた保存が必要となり、「電子帳簿等保存制度」による保存、もしくは、印刷した書面を「スキャナ保存制度」による保存を行うことが可能です。また、電子インボイスを交付して電子データのまま保存する場合は、電子帳簿保存法の「電子取引に係るデータ保存制度」の要件にもとづく保存が求められます。なお、電子帳簿保存法では、申告所得税及び法人税の保存義務者は、令和6年からは電子取引は電子データのまま保存することが原則義務化されますが、消費税法ではその保存が仕入税額控除の要件になっていることから、電子データを書面出力して保存することも認められています。
本記事は、アクタス税理士法人より掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
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