執筆者:株式会社クリスク
※株式会社クリスクに関する情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。
こんにちは、クリスク・タイのパーです。
タイも日本と同様に、ゲーム市場の規模が拡大しています。ゲーム市場の拡大に伴ってゲーム実況者が増え、インフルエンサーとして社会的な影響力を持ってきています。
そのため
著名なゲーム実況者をインフルエンサーとして活用することは、マーケティング方法のひとつと言えるでしょう。
そこでこの記事では、現地マーケッターがタイのゲーム市場の現状と、タイで人気のあるゲーム実況者について紹介します。
急成長するタイのゲーム市場規模
タイのゲーム市場は、コロナ禍前の2018年~2019年でも14~16%の成長率を記録しています。しかし2020年には35%に急増しました。成長率は東南アジア2位、ゲーム市場としては世界で2番目に高くなっています。
そして2021年も8%の成長率を維持しており、約370億バーツ(約1466億円)ほどの規模に拡大しました。さらに2024年までの予測では、成長率が17%で約554億バーツ(約2200億円)に達すると言われてます。
タイのゲーム市場規模の推移(単位:百万バーツ)
引用元:
depa Digital Content※グラフはクリスク再編集
タイのゲーム開発会社も増えている
現状で、タイのゲーム市場は外国製品が主流になっています。2021年時点ではほぼ外国製品で、輸入額は約360億バーツ(約1426億円)もあると報告されました。その一方、自国産のゲーム消費支出は6億3,300万バーツ(約25億円)にとどまりましたが、成長率では48%と大幅に伸びています。
2021年タイゲーム市場の輸入・輸出状況
引用元:
depa Digital Contentなぜタイのゲーム市場が拡大したか
ゲームが出始めたころはゲーマー向けのゲーム機が主流でしたが、現在はPC上のオンラインゲームの時代になっています。
そしてスマホの普及および技術発展によって、性別や年齢を問わず、ゲームをする人が増えました。
以前よりもゲームが受け入れられる社会になっており、コンソールゲームも、ボードゲームも学生や若い人の間で大人気、おしゃれ要素のひとつに見られることもあります。ではなぜタイのゲーム市場は拡大したのでしょうか。理由としては3つ考えられます。
1. コロナ禍で家にいる時間が増えた
コロナ禍の外出自粛命令や学校の休み期間延長などにより、家にいる時間が増えました。それが結果としてゲーマーの増加に繋がっていると考えられます。ゲームをプレイする人たちが増えたことで、コロナ禍が終わったとしても、ゲーム市場が縮小する可能性は低いです。
2. ゲームに対する偏見が薄れた
タイは昔、ゲームは若者の暴力の原因であり、カードゲームは賭博の一種という偏見がありました。現在、ゲームはお金を稼ぐ手段でありeスポーツとして認められたため、そうした偏見は少なくなっています。
eスポーツの受け入れや、ゲーム実況配信者、ゲームストリーマーのようなインフルエンサーなどによって、ゲームのイメージアップも行われています。そして彼らの視聴者が、実際にゲーマーにもなっているでしょう。
3. 国や民間組織からの支援が増えた
ゲーム市場を拡大するために、国は4億バーツ(約16億円)を投資しています。またタイ国eスポーツ連合やタイ国ゲーム業界団体が設立されるなど、ゲーム市場を支援する組織も増えました。このようにタイ全体が、ゲーム市場の拡大を推進していることがわかります。
ゲーマーが最も多い年齢層は25~34歳
タイのゲーマーは実際にどのような人達が多いのでしょうか。詳細を見てみましょう。
男女の割合
男女比は男性の方がやや多くなっています。
年齢層
年齢層は25-34歳が最も多く、年齢が上がってくるにつれて割合は下がっています。
所得
高所得者の割合が最も多いですが、所得による差は大きくありません。
このように男女の割合もほぼ半々で、年齢層は若い層が多いですが、お年寄りまでゲーマーの方がいるとわかります。
スマホゲームが人気!プラットフォームの割合
次にプラットフォームの割合を見てみましょう。
ゲームのプラットフォーム利用割合(単位:百万バーツ)
引用元:
depa Digital Content※グラフはクリスク再編集
1位 スマホゲーム
2位 PCゲーム
3位 コンソールゲーム
4位 アーケードゲーム
上記のデータを見るとわかるように、特定のゲーム機が必要とされないスマホゲームの人気が高いです。またスマホゲームからスタートした初心者ゲーマーでも、PCゲームやゲーム機でゲームを楽しむようになると考えられます。
タイの有名なゲーム実況者・ゲームストリーマー紹介とゲーム会社とのコラボ事例
ゲーム実況者とは、ゲーム実況動画を投稿している人やその様子を生配信している人のことです。ゲーム実況者の収入元は、「ゲーム会社や他の商品会社のスポンサー料」「視聴者による投げ銭やスーパーチャット」「メンバーシップの月額料金」などです。
ゲーム人気が高まっているタイでは、ゲーム実況者が有名なインフルエンサーにもなっているケースもあります。ゲーム関連だけではなく、ゲーム以外の方面にも影響力を持つようになりました。ここではそうした影響力のあるゲーム実況者を紹介します。
HEARTROCKER
チャンネルURL:
https://www.youtube.com/c/MRHEARTROCKERzチャンネル登録者数:約800万人(※2023年2月現在)
特徴顔を公開しているタイの実況者が多い中で、仮面で顔を隠している大人気実況者。声も良く、きつい言葉遣いをほぼしない彼の実況は、誰でも気持ちよく視聴できます。英語力も高く、英語のゲームでもタイ語に訳しながら行われています。
そのため視聴者が感情移入でき、ゲームの世界を楽しんでいることが多いです。スーパーチャットを実施した初日は10万バーツ(約40万円)以上の投げ銭があったそうです。
フォロワーの属性若者から若い大人まで大人気。女性のファンクラブも多い。
ゲーム実況の人気ジャンルホラーゲーム、アクションパズルゲーム、FPSゲーム
事例【ゲーム会社とのコラボ:PUB G】
コラボアイテムを出しています。
HEARTROCKERさんが投稿したPUB Gがスポンサーしたコラボアイテム発表配信
【ゲーム会社以外でのコラボ:Doritos】
スナックとのコラボ(報酬はHEARTROCKERさんのファンクラブマークのぬいぐるみなど)
DoritosのCM
【ゲーム会社以外でのコラボ:Hidilao(台湾出身のホットポット店)】
コラボではありませんが、店で新しく出されたスイーツがHEARTROCKERさんのファンクラブのマークと似ているので、彼のファンクラブがそのスイーツの写真をシェアしたことで注目されました。
https://www.facebook.com/groups/173662620712879/permalink/630476638364806/Zbing z.
チャンネルURL:
https://www.youtube.com/user/zbingzbingチャンネル登録者数:約1,700万人(※2023年2月現在)
特徴美しい笑顔が特徴の実況者。若い視聴者向けの配信を意識している美少女です。「ARK SURVIVAL」というゲームで、恐竜を捕まえて、ペットに同じ名前をつけるなど、ほのぼの要素を取り入れることで人気が上昇しました。若者のアイドルとして憧れの的となっています。
フォロワーの属性学生、中高生(15歳)~大学生
ゲーム実況の人気ジャンルホラーゲーム、サバイバルゲーム、カジュアルゲーム、シミュレーションゲーム
事例【ゲーム会社とのコラボ:Home Sweet Home】
タイで有名なホラーゲームとのコラボで、彼女がゲームのキャラクターの一人として登場しています。
https://thestandard.co/pang-zbingz-home-sweet-home/【ゲーム会社以外でのコラボ:ドンキ】
決められた「色」の商品をドンキで買い物するスポンサー動画です
【ゲーム会社以外でのコラボ:Kito】
彼女の愛猫をモチーフにしたサンダルのコラボコレクションです。
https://www.kito.co.th/zbingzxkitolab/【ゲーム会社以外でのコラボ:Nelie】
スナックのブランドのプレゼンターをしています。
https://www.online-station.net/entertainment/495703/Gssspotted
チャンネルURL:
https://www.youtube.com/c/Gssspottedチャンネル登録者数:約100万人(※2023年2月現在)
特徴20代と若い男性ですが、「ナイトおじさん」というあだ名で有名。言葉遣いはきれいでないものの、ユーモアある配信で視聴者を楽しませています。トーク力も高く、ゲーム実況以外の雑談配信も人気です。
フォロワーの属性若い男性が多い
ゲーム実況の人気ジャンルシミュレーションゲーム、ホラーゲーム、MNORPGゲーム、雑談
事例【ゲーム会社とのコラボ:有名ダンスゲーム「Just Dance 2022」のCM出演】
ナイトおじさんが主役で出演した「Just Dance 2022」のCM動画
【ゲーム会社とのコラボ:有名ホラーゲーム「Far Cry 6」のCM出演】
ナイトおじさんが主役で出演した「Far Cry 6」のCM動画
まとめ
タイのゲーム市場はコロナ禍前からで成長してきましたが、コロナが流行ってから急激な成長が見られます。また政府や民間組織からの協力を得て、これからの成長も期待できるのではないでしょうか。
ゲームのイメージが良くなっていく流れに乗って、ゲーム実況者のような職業が増えて、ゲーム関連でもゲーム以外の面でも、インフルエンサーとしての影響力が増しています。今後タイでは、ゲーム実況者を使ったマーケティングがさらに重要になってくるはずです。
クリスクでは現地スタッフとともに、ゲーム実況者などのインフルエンサーを活用したマーケティングをご提案します。もしタイでのゲームについての案件やインフルエンサーを採用したい案件があれば、ぜひ声をかけてください!
参照元)
国内外のゲーム業界の成長要因
https://www.depa.or.th/th/article-view/growth-factor-gaming-industryタイ ゲーム ソフトウェア協会 TGA の会長と話す!タイのゲームの現状は?お金がタイの開発者に渡らないのはなぜ?
https://www.blognone.com/node/123241タイのゲーム業界は2020年に340億バーツに到達!次にくるのは?
https://www.brandbuffet.in.th/2021/11/digital-content-research-depa-2020/TGA (Thai Game Software Industry Association)
https://manage.depa.or.th/storage/app/media/file/depa_Digital%20Content%20%202022_Press%20Con.pdfタイのゲーム市場の規模はどのくらい? どの市場が最大か
https://marketeeronline.co/archives/241572(執筆:Panida Rugsaj 編集:クリスク海外事業部)
※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。
この記事を書いたのは・・・クリスクタイスタッフ Panida Rugsaj(パニダー・ラックサット)※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
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