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COLUMN

2023.01.30海外情報

【ベトナム版】2022年デジタルマーケティングトレンド

  • ASEANマーケティング
  • アジア情報
  • ベトナム


執筆者:株式会社クリスク
※株式会社クリスクに関する情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。



みなさん、こんにちは!クリスク・ベトナムのリエンです。
2022年も、インターネット上でさまざまな企業のキャンペーンが国内の消費者から注目を集めました。

今回は、その中でも特に注目度の高かったキャンペーンを取りあげつつ、ベトナムの消費者の傾向を読み解いていきましょう。
成功ポイントを押さえておくことで、現在のベトナムのトレンドを押さえたマーケティングに活かして頂ければと思います。


BAEMINの「サンキュー」キャンペーン



5月には、韓国系のフードデリバリー「BAEMIN」が創立3周年を迎え、「サンキュー」キャンペーンを開催しました。



BAEMINは2019年にベトナム進出し、各都市でサービスを展開。トートバッグやノートなどが当たるプレゼント抽選のほか、感謝メッセージの伝え方にも工夫があり、心温まるキャンペーンとして話題を呼びました。



キャンペーンでは、SNS投稿や音声配信アプリ上での広告、屋外パネルやLED看板、エレベーター内でのデジタルサイネージなどで、手書き文字を使った「ありがとう」のメッセージを伝えていたのが印象的でした。

メッセージはBAEMINのスタッフが書いたもので、柔らかく親しみのある印象を与えることができました。



感謝のメッセージは利用者向けのものだけでなく、配達員やBAEMINスタッフにあてたものも。さまざまな人に向けて感謝のメッセージが発信されたことで、より目を引くことに成功しました。

利用者向けのメッセージはこのような感じです。

「BAEMINの歌を覚えてくれて感謝します」
「赤信号で止まるたびにBAEMINの広告を見てくれてありがとう」
「配達員たちをイケメンと誉めてくれてありがとう!」
「BAEMINの広告をスキップしてくれてありがとう。おかげでもっと面白い広告を作らなきゃいけないということに気づきました!」



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こうした工夫によって、マーケティングの分析サイトなどでキャンペーンの成功事例として広く取り上げられる結果となっていました。人を大切にするブランドとして多くの人から高く評価されることにつながったのです。


オンラインショッピングではメッセージ機能の活用が必須



東南アジアで配送サービスを提供するNinja Van Groupとヨーロッパ最大の宅配便ネットワークDPDgroupが2022年に発表したレポートによると、ベトナムは年間オンライン購入数で東南アジアで1位になっています。


引用元:E-commerce Barometer Report 2021 By Ninja Van Group and DPDgroup


しかし、ベトナムでは、メッセージに対する返事が販売者から来ないという理由で注文をキャンセルしたという人も少なくありません。それほどまでにメッセージによるコミュニケーションを重視しているのです。

少し古いデータですが、eコマース企業・Shopeeが2016年に公表した調査データでは、ベトナムでは消費者の71%が購入までの間に販売者とチャットでやりとりしているという結果が出ています。

また、2022年にも、Meta (旧称Facebook社)がボストン コンサルティング グループと提携し、APAC地域におけるビジネスメッセージングの影響に関する調査を行ったところ、ベトナムの消費者の73%が販売者とのメッセージングを利用していることがわかりました。

これは、調査対象となった他のAPAC各国の中で最も高い割合になっています。


引用元:MetaとBoston Consulting Groupによる調査(2022年)


SNSはもちろんShopee、Tiki、LazadaといったECサイトもチャットとライブストリーム配信の機能が使えるようになっています。

▼参考記事
ベトナムのライブコマース市場 事例と今後の課題とは?


また、詐欺対策のために、ECサイト内のチャットでの販売者とのやりとり履歴を、取引の証拠として使うこともあります。
こうしたこともあり、ベトナムで商品を販売する際には、お客さんからの問い合わせには迅速かつ丁寧に対応することがとても重要です。


『Thó Báy Màu(七色うさぎ)』のアニメ化キャンペーン



最後に、『Thó Báy Màu(七色うさぎ)』のアニメ化キャンペーンについてご紹介します。

『七色うさぎ』とは、SNSで有名になった漫画家による大人気4コマ漫画で、2014年にデビューしてから471万フォロワーを獲得しています。Facebookを長年使っているベトナム人なら、登場キャラクターのうさぎとあずきを少なくとも1回は見ているはずです。


引用元:Comicola


若い視聴者にベトナム発のアニメをより身近に感じてもらうために、このヒット漫画シリーズがアニメ化されることになり、2022年11月15日から「Comicola」というベトナム最大のコミックサイト内でクラウドファンディングがスタートしました。

『七色ウサギ』のアニメ化情報はベトナム国家放送局や大手ニュースメディアで取り上げられ、注目を集めました。本プロジェクトのYouTube動画も、120万回の視聴回数を超えています(2022年12月末現在)。



本プロジェクトでは、700万円の資金調達を達成すれば10エピソードが完成し、2023年にアニメ版がリリースすることになります。現在、アニメ化企画を応援する多くの読者が、インターネットを通じて「Comicola」に投資しています。

では、なぜこのキャンペーンが注目を集めるのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。


1:ベトナム発アニメへの夢



ベトナム人には漫画・アニメ愛好者が少なくないにもかかわらず、ベトナム発のアニメはほとんどない状態です。

ベトナムの漫画やアニメは、大手の出版社やアニメ制作会社からの支援を得られなければ、出版・制作はほぼ不可能です。しかし、「ベトナム漫画・アニメをもっと発展させたい」というファンたちは、若い漫画家による作品のアニメ化企画を積極的に応援しています。


2:視聴者の大部分が成人



『七色うさぎ』のファンの年齢層は18歳から24歳が多く、ある程度経済的に余裕がある30歳以上の読者もこのキャラクターを応援しています。


引用元:『七色うさぎ』のYouTube視聴者(引用元:noxinfluencerを利用した調査結果)


3:ベトナムの代表的な作品



『七色うさぎ』のクリイエターたちは、ベトナムの文化・生活が映し出された作品の制作を目指しています。 国産コンテンツらしさを出すために、面白いストーリーであることはもちろん、背景や設定などでベトナムの雰囲気を伝えられることを重要視しています。


まとめ



今回ご紹介したキャンペーンはいずれも、「親近感が湧くようなコンテンツになっていること」「消費者と販売者とのコミュニケーションは当たり前」といったポイントを押さえたことで、ベトナム人に幅広く受け入れられた例となります。

こうした事例から、ベトナム人の興味関心と日常的な行動が把握できれば、ベトナムでのマーケティングがかなり効果的になることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ベトナムでのマーケティングの際は、ぜひこれらのポイントを押さえてみてください!

<参考>
71% nguoi dùng “chat” voi nguoi bán truoc khi mua hàng online | VTV.VN
Business Messaging: The Quiet Channel Revolution Across Tech by BCG x Meta
E-commerce Barometer 2021: - Uncovering Southeast Asia (SEA) online shoppers & delivery preferences

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。


この記事を書いたのは・・・
写真クリスクベトナムスタッフ Vu Thi Phuong Lien(ヴ ティ フオン リエン)

※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
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なお、株式会社クリスクの情報は、本ページの最後にてご確認いただけます。


▼今回の元記事
【ベトナム版】2022年デジタルマーケティングトレンド
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株式会社クリスク

クリスクは、WEBメディア事業、ソーシャルメディア事業を展開しています。
2010年からは、東南アジアでも事業展開を行っています。
現在は、タイのみならず、ベトナム、マレーシア、インドネシア、台湾など、東南アジアを中心とした様々な国において、WEBマーケティングをはじめ、漫画の現地語翻訳や各国の市場調査など、幅広く事業を展開しています。

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