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COLUMN

2022.10.26企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.81

  • 借入金

執筆者:松本光輝 先生
※松本先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。



■現状
賃貸業を営まれている社長様からの相談。
女性の社長は年齢75歳、バブル期にビルを建築したが、夫が家を出てしまい、3人の子供と協力して借金の返済を続けてきた。
長女は40歳、長男39歳、次女35歳。
土地と建物は夫婦の共有名義となっている。
家賃収入は、年間1,000万円、修繕費がかさんでいるので、実際手元に残るのは500万円程度、銀行への返済が元金45万円と利息5万円併せて月50万円なので、年間100万円程の赤字になっている。
銀行からの借入は現時点で1,000万円程残っている。
不動産の評価額は6,000万円~7,000万円。

■相談点
不動産購入時の借入金について、借入金利と返済期間延長の交渉余地があるかどうか?あるいは、借換えを行うことにより、金利の引き下げと返済期間の延長は可能かどうか?

■アドバイス
金融機関がお金を貸す時の最長年齢が75歳なので、今回の場合は女性の社長が借りることはできないし、他の金融機関で借換えをしても年齢が75歳に達しているので取り扱ってもらえない。しかし、一つの方法がある。それは、“リレーローン”という方法である。
3人のお子様の内で所得がある人がいれば、現在返済を行っている銀行でリレーローンを使って組み換えることができる。
次に、現在、銀行からの借入残金は1,000万円で所有している不動産の時価が6,000万円~7,000万円、競売になった場合には最低でも4,000万円にはなるので、銀行は、不動産に十分な担保としての価値があると考える。
  1. 銀行に対して、十分な担保価値がある不動産だと思うので、家賃収入と返済額の収支が合うように計算して、その金額にしてもらえるよう交渉する。
  2. リレーローンなしで条件変更ができないかも交渉する。
2つの方法が駄目な場合は、別の銀行で借り換える方法があるがお子様の内で所得のある人が債務を引き継ぐ必要がある。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。