執筆者:伊藤俊一 先生
※伊藤先生のプロフィール詳細は、本ページの最後にてご確認いただけます。
Q. 従前の持株会社スキーム・会社分割スキーム
高収益部門を(税制適格)分社型分割にて分割します。分割承継法人は分割法人が100%所有する子会社となります。
役員退職金の支給等、通常の自社株引き下げ策を持株会社(分割法人)、本体会社(分割承継法人)それぞれに実行します。
手順としては上記だけですから、非常にシンプルです。しかし、課税実務上、現在、会社分割スキームはそれほど流行っている状況にありません。
理由は上記に示した通りです。会社分割で分割承継法人にできるだけ高収益部門を引き継がせるのがこのスキームのコツですが、あまりに引き継がせると上の持株会社(分割法人)の株価が高止まりしたままになってしまいます(上記表中ではトレードオフの関係と記載しました)。
先述の理由で会社分割スキームは現在、流行していませんが、(金融機関から提案を受けたときのため)、典型スキームを下記します。
髭正博・他『Q&A 事業承継・自社株対策の実践と手法(全面改訂版)』(日本法令(2012/06))該当箇所
【事業承継スキーム】貸付金と株式の法人への遺贈に関する事例 | 【事業承継税制(特例)】持株会社スキームの基本と比較検討―① |
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税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。