物納の要件
相続税の納税は、相続発生日(被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内に現金で一括納付が原則です。しかし、相続した財産の中には、不動産のように、すぐに現金にできないものも多々含まれています。そのため、期限内に現金一括で支払えないということがしばしば起こります。下手をすれば、延滞税までかけられてしまう事態です。
そのような場合の対処法としては、延納・物納がよく知られていますが、今回は、物納を少し詳しく説明します。
物納とは、相続財産そのものをもって税金を納める方法です。延納によっても金銭で納税することを困難とする事由がある場合は利用できる可能性があります。物納財産は国が管理または処分をするのに適したものでなければなりません。物納に充てることができない「物納不適格財産」としては、例えば不動産の場合、次のようなものが挙げられます。
○担保権が設定されている
○権利の帰属について争いがある
○境界が明らかでない土地
○耐用年数を経過している建物 など
収入金額 -( 取得費 + 譲渡費用 )- 特別控除 = 譲渡損益
税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。