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2021.10.13Actus Newsletter

電子帳簿保存法の改正 #3 電子帳簿等保存

  • 電子帳簿保存法

令和3年度の税制改正により要件緩和された電子帳簿保存法について、前号で「電子取引」を、前々号で「スキャナ保存制度」を紹介してまいりましたが、今回は「電子帳簿等保存制度」について紹介していきます。

■電子帳簿等保存制度とは

電子帳簿等保存制度とは、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した仕訳帳や総勘定元帳などの国税関係「帳簿」と、自己が一貫して電子計算機を使用して作成した貸借対照表や損益計算書、契約書や請求書、領収書などの国税関係「書類」について、紙での保存等に代えて、電磁的記録(データ等)のまま保存することができる制度です。
なお、「最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成」とは、帳簿を備え付けて記録を蓄積していく段階の始めから終わりまで電子計算機の使用を貫いて作成することをいい、この場合の「始め」とは、課税期間の定めのある国税に係る帳簿については、原則として課税期間の初日を指します。

【電子帳簿等の保存要件概要】

※電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿関係書類】令和3年7月国税庁 問7を参照して作成

*1「ダウンロードの求め」に応じる場合には、検索機能のうち、範囲を指定して条件を設定できる機能及び二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できる機能は不要となる。

*2 優良帳簿の要件を全て満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。

*3 検索機能の確保に相当する要件を満たしている場合には「ダウンロードの求めに応じること」の要件は不要となる。


■電子帳簿等保存制度の令和3年度の主な改正点
電子帳簿は、ほとんどの電子帳簿が該当する「その他の電子帳簿」と、「優良な電子帳簿」に区分されました。事前の承認制度が廃止され、さらに「その他の電子帳簿」の保存要件が大幅に緩和されたため、帳簿については、書面に出力することなく電子データで保存することが容易となりました。なお、これらの改正は令和4年1月1日から施行されますので、同日以後の備付け及び保存から適用することができます。

1. 事前承認制度を廃止
改正前は税務署へ事前の承認申請が備付け開始日等の3か月前までに必要とされていましたが、今回の改正により令和4年1月1日以後に備付け・保存を開始する場合は、事前承認は不要となりました。

2. 「優良な電子帳簿」と「その他の電子帳簿」
正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)に従って記録され、最低限の要件を満たす電子帳簿は「その他の電子帳簿」として保存が可能となり、一方、改正前の保存要件を満たす信頼性の高い電子帳簿は「優良な電子帳簿」とされます。

3. 「優良な電子帳簿」の過少申告加算税の軽減措置
「優良な電子帳簿」の保存要件を満たして保存を行い、あらかじめ「軽減措置の特例の適用を受ける旨の届出」を提出した場合に、その優良な帳簿保存の記録事項に関し修正申告等があった場合(仮装又は隠蔽を除く)は、過少申告加算税が5%軽減する措置が整備されました。

4. 検索機能の確保の要件緩和
検索要件は「日付、金額、取引先」に限定され、優良な電子帳簿については、税務調査の質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じる場合には、範囲指定及び組み合わせによる検索は不要となります。


-Q&A-

Q1. 令和4年1月1日が事業年度の途中になる場合、電磁的記録等による保存を行うことはできますか?


国税関係書類については課税期間の中途からでも電磁的記録等による保存を行うことができます。国税関係帳簿については、課税期間の開始の日に備え付けられ、順次取引内容が記録されていくものであることから、原則的には課税期間の中途から電磁的記録等による保存をすることはできません。


Q2. 課税期間終了後に、会計記帳を記帳代行業者にまとめて委託している場合でも電子帳簿として認められますか?また、保存場所を記帳代行業者の所在地にすることは認められますか?


会計記帳を記帳代行業者に委託することは認められますが、国税関係帳簿の作成に当たっては、書面であるか電磁的記録であるかに関わらず、 課税期間中に記帳せず当該期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は認められません。 通常の業務サイクル期間(最長2ヶ月)に記帳を行う必要があります。また、保存場所についても、各税法で定められているため、記帳代行業者の所在地にすることは認められません


Q3. クラウドサービスの利用やサーバを海外におくことは認められますか?


保存場所に備え付けられている電子計算機とサーバとが通信回線で接続されているなどにより、保存場所でディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかにその電磁的記録を出力することができるときは、クラウドサービスを利用する場合や、サーバを海外に置いている場合であっても、当該電磁的記録は保存場所に保存等がされているものとして取り扱われます。


Q4. 会計システムと販売管理システムを連携し、会計システムでは、月毎の集計値を保存していますが、会計システムのみの保存でよいのでしょうか?


会計システムと販売管理システム等の業務システムを連携している場合、会計システムのデータとともに業務システムの個別取引データを合わせて保存する必要があります。会計システムのデータのみを保存することとした場合、業務システムの集計データのみが保存され、個別取引データは保存されないため、「仕訳帳」及び「総勘定元帳」のデータは、すべての取引を記載した適正な帳簿とはなりません。


Q5. 過少申告加算税の軽減の適用を受けるには、現行の要件を満たしている場合でも届出書の提出は必要でしょうか?また、システム変更があった場合は、変更の届出書の提出が必要でしょうか?


令和4年1月1日前において、現に令和3年度税制改正前の承認を受けている場合であっても、国税の法定申告期限までに特例適用届出書の提出が必要となりますのでご注意ください。
また、システムを全面的に変更した場合や、訂正・削除の履歴の確保・検索機能の確保等に係るシステムの大幅な変更があった場合は、変更する旨等を記載した届出書の提出が必要となります。


Q6. 市販の会計ソフトを使用していますが、電磁的記録等による保存等は認められますか?


市販の会計ソフトを使用し、ディスプレイやシステム概要書等を備え付けること等の「その他の電子帳簿」の保存要件を満たしている場合、紙による保存等に代えて電磁的記録等による保存等を行うことが認められます。



※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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※本記事は、アクタス税理士法人より掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。
https://www.actus.co.jp/library/knowledge/list.shtml




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