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COLUMN

2018.04.02企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.31

■現状
業種:印刷業、年商:3億円、従業員:18名、社歴:48年、社長の年齢:48才。
8年程前から売上が減少し始めて、会社での不足資金を家庭のお金で賄ってきた。現在の利益は、年間100万円~500万円程度で推移している。滞っている未払い金もあり、常に資金不足の不安がある。
1年前から妻も会社の事務の仕事を手伝うようになった。住宅ローン、教育費の心配もある。今後、どのようにしたら経営を安定させることができるか?


■質問内容

①借入銀行4行に対して、年間約2,000万円の返済をしているが、これを何とかしたい。

②いつ資金が不足するか見えないのでどうしたら良いか?

③4ヶ月先の決算で支払手形を切るが、本当に切っても良いか?

④どうしたら経営を安定させられるか?


以上の4点。


■アドバイス

①銀行の返済は、経営改善計画を作成して猶予してもらうこと。

1)向こう1年間の現金返済は“ゼロ”
2) 2年目は約定返済額の15%
3) 3年目は約定返済額の30%
それ以後は、状況に応じて上乗せ。


②先ずは日繰り表を作成する。向こう6ヶ月間分の支払いは、ほぼ確定しているはず。売上は確実性の高い金額と可能性のある金額の2通り作成する。こうすれば、「いつ、いくら資金不足」かが分かる。


③日繰り表を参考にして4ヶ月先の現・預金残高を見ながら、いくらの支払手形を切って良いのかを見極める。


④先ずは、当座の資金繰りを安定させる。次に値上交渉または値上可能な商品を作り出す。利益の源泉は売上総利益にあるので、先ずは売上総利益を上げる算段をする。
次に経営を費用対効果で計って削減に努める。全体では3ヶ年計画を作って、3年以内に経営を安定化させる。



これらは、我々、事業パートナーが行っている基本的手法で、しっかりと諦めず計画通りやれば必ず成功します。やり遂げるという強い意志を持ってやれば、成果は向こうからやってきます。
頑張って下さい!



vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー



松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。