こんにちは! クリスク・ベトナムのリエンです。
ライブ配信が普及したことで、いまとても盛り上がっているのが「ライブコマース」。
ベトナムでも新しいデジタルマーケティングツールとして不可欠な存在になっています。現在では、SNSはもちろんShopee、Tiki、LazadaといったECサイトもライブストリーム配信の機能が使えるようになりました。
そこで今回は、ベトナムのライブコマース事情について紹介したいと思います。
ライブコマースが人気になった理由
ライブコマースは、テレビ通販といった既存の広告とは違う体験を与えられるプラットフォームです。スマホさえあれば、誰でもどこでもライブコマースを行えます。そして販売者のWEBサイトに飛ばず、配信しているプラットフォームから直接オーダーできるというのがライブコマースの強みです。
調査によると70%のベトナム人がeコマースでの購入において、「商品が販売者の説明と違う」ことに不安感を持っています。しかし、ライブコマースではTVCMや企業からの一方的な広告とは違い、視聴者からの質問にリアルタイムで答えてくれるため安心感が得られます。
また、一人の視聴者の質問の答えを同時に他の全ての視聴者に届けることは、従来の購買活動で得られない「対面型のコミュニケーション」の価値があります。
つまり、ライブコマースはライブ配信とEコマースの両方の良さを活用した販売方法だといえるでしょう。
販売側にもメリットが多い
ほとんどのSNSやECサイトはライブ配信機能を無料で提供するだけでなく、配信運用のサポートも提供しています。販売者は自分のプラットフォームを準備せずに済むので、時間とコストを抑えることができます。
ライブコマースは、販売効果だけではなくパフォーマンス、いわば娯楽という付加価値がついています。なぜならば、ライブ配信を行うのは販売者だけではなくインフルエンサーも含まれるからです。
インフルエンサーを起用することで、配信者のフォロワーは商品への関心を持たなくても配信を閲覧する可能性が高くなり、様々な消費者層に対して商品の情報を届けることが可能になります。
参考)
nguoi viet ngay cang coi mo voi mua sam truc tuyenベトナムのライブコマース事情
ベトナムEコマース協会の発表によると、2020年時点で、ベトナムは東南アジアでEコマース売上高が2桁成長している唯一の国で、約88%のベトナム人のインターネットユーザーがEコマースを利用しているそうです。
また、ベトナムはタイと共に、Facebookのチャット機能を使った、企業と顧客の間のメッセージの量で世界のトップとなっています。
ベトナムにライブコマースが浸透し始めたのは2018年ごろで、今では個人販売者と中小企業が積極的に取り入れています。ベトナムでは一日あたり70,000〜80,000回のストリームが行われ、プロモーションの日にライブ配信をすることで大きな成果を上げています。
例えば、Shopeeの発表によると、2020年12月12日のプロモーションでは、あるスマホアクセサリーの個人ショップは配信のおかげで1日で6千万円以上の売り上げがあったそうです。また、Lazadaベトナムは、2020年の第4四半期ライブストリームによる注文数が、2019年の同期間の50倍になったことが分かりました。
現在、ベトナムで使われているSNSやライブ配信アプリの全ては海外のものですが、2021年にVinaCapital Venturesが、GoStreamというベトナム発のライブストリームプラットフォームが開発し、ライブコマースの大きなポテンシャルを発揮できると期待されています。
参考)
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thuong mai dien tu viet nam dat 11 8 ty USD tang an tuong 18%2.
mua sam qua mang thoi dich benh covid-19 tien loi ma cung da3.
In rural Vietnam, Facebook finds a new approach to growth4.
kinh te livestream ti do dang troi day tai viet nam5.
mot nguoi kiem 13 ty nho ban hang online trong ngay 12/12ベトナムのライブコマース事例:HOANG PHUC INTERNATIONAL
Facebook フォロワー:約74万人
https://www.facebook.com/hoangphucintl/大手シューズ専門店が運営しているアカウントで、Facebookでライブコマースを頻繁に行っています。毎回のライブ配信平均視聴数は15,000~25,000回ですが、2021年1月に行ったライブ配信では「ライブ配信・インフルエンサー起用・チャットbot」の組み合わせをうまく活用したことで大成功しました。
・視聴回数:96,000回
・エンゲージメント:70%アップ
・コメント数:1,100件
・注文完数:40%アップ
③ベトナムのライブコマース市場の課題
ベトナムはまだ物流インフラ、倉庫、交通などがまだ完全に整備されていません。
ベトナムは港のほとんどが小規模で、国際港は20港しかなく、他国に比べると少なく物流面の課題が多くあります。
また、ライブコマースのポテンシャルを高めるためには、数百万の視聴者に同時にサービスを提供する機能を備えたライブストリームプラットフォームも必要です。さらに、相互インタラクションを促進するスーパーチャット(投げ銭)などの導入も必要だと思われます。
そして、ライブコマースに出演しているのはインフルエンサーだけではなく、配信者のほとんどは個人販売者や農家で、プロ感はあまりありません。
企業のライブの場合、衣服や話し方など色々注意しなければならないため、パフォーマンスと商品販売のスキルを身につけてプロのストリーマーになるためには、本格的なトレーニングを受けることが必須になるかもしれません。
まとめ
2020年のライブコマースはベトナムのデジタルマーケティング市場の1%しか占めていませんでした。ただし、ベトナムのEコマースの普及とSNS・インフルエンサーマーケティングの成長と共に、ライブコマースは急拡大が見込まれています。
それと同時に、ストリーマーは職業として扱われるようになるかもしれません。
ライブコマースをやってみたい。そんな方は、配信に適した人材やプラットフォームの選び方など、ぜひクリスクにもご相談ください!
この記事を書いたのは・・・クリスクマレーシアスタッフ NURUL Asyikin/ ヌルル ※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。
▼今回の元記事ベトナムのライブコマース市場 事例と今後の課題とは?クリスクのサイトにジャンプします 免責事項について
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