MENU MENU

COLUMN

2021.08.25企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.67

  • 資金繰り

本コラムは、(株)日税ビジネスサービスの「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状

・製造業、会社設立10期目

・社長50歳、奥様52歳、長男22歳、長女20歳

・銀行により自宅に根抵当が設定されていて、極度額は3,000万円。他の金融機関の抵当権設定はない。

・住宅ローンなし

・社会保険料約300万円、税金(源泉税、消費税など)約300万円の合計約600万円を滞納、税務署、年金事務所には社長自ら訪問して相談しているので、滞納処分までには至っていない。

・取引先の支払いが遅いため、もともと資金繰りは良くないが、前期に大きな赤字決算となってから銀行の対応が悪くなり、資金繰りが一気に悪くなった。


■相談点

1. 社会保険と税金の滞納600万円はどう対応すれば良いか?


2. リスケを今年から始めたが、それでも資金繰りが苦しいため、いけないとは分かっているが、いわゆるグレーファクタリングで資金調達し、毎月500万円の実質借入のため、25万円の利息相当を毎月支払っている。このグレーファクタリングをやめるためにはどうしたら良いか?


■アドバイス

1. もし、税務署などによって社会保険や税金の滞納処分が行われると、申告書を提出しているためどこの銀行に口座を持っているのかが分かってしまい預金口座が差押えられてしまう。こうなると、約定書に基づき期限の利益が喪失してしまい、借入している銀行から一括返済を求められることとなる。このようにならないために、入金・支払口座と借入銀行口座はすぐに別の銀行にする。
次に、税務署や年金事務所などに出向き、「今は、納付を依頼されている金額は支払えない。会社の業績が良くなったら必ず返済するので、今までの滞納分については、少額支払いにしてもらえないだろうか?」と現在の状況を資料を揃えて説明し、3回以上は出向き粘り強く交渉する。


2. 500万円に対し毎月25万円、年間300万円の利息を払っているようでは、会社は立ちゆかない。そのため、自宅の保全よりも先ず社長がやるべきことは、もうグレーファクタリングでお金を借りないようにしないといけない。
かと言って、すぐにグレーファクタリングをやめられないので、毎月少しずつでも減らしていかないといけない。何としても、原材料、外注先の支払を伸ばす、縁故親戚筋を頼ってでも500万円を集めるようにしてください。
バランスオフできる資産(車)等があれば、例え10万円、20万円でも売却して用意してください。




※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



あわせて読みたい!
金融機関交渉Q&A vol.66金融機関交渉Q&A vol.63



サービスのご案内
日税事業承継支援サービス日税M&A総合サービスメールマガジンのご登録





vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー



免責事項について
当社は、当サイト上の文書およびその内容に関し、細心の注意を払ってはおりますが、いかなる保証をするものではありません。万一当サイト上の文書の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いかねます。
当サイト上の文書および内容は、予告なく変更・削除する場合がございます。また、当サイトの運営を中断または中止する場合がございます。予めご了承ください。
利用者の閲覧環境(OS、ブラウザ等)により、当サイトの表示レイアウト等が影響を受けることがあります。
当サイトは、当サイトの外部のリンク先ウェブサイトの内容及び安全性を保証するものではありません。万が一、リンク先のウェブサイトの訪問によりトラブルが発生した場合でも、当サイトではその責任を負いません。
当サイトのご利用により利用者が損害を受けた場合、当社に帰責事由がない限り当社はいかなる責任も負いません。



松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。