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COLUMN

2021.08.11海外情報

ベトナム人の健康への意識変化とサプリメント市場の発展

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こんちには! クリスク・ベトナムのリエンです。

海外の人から「ベトナム人って痩せているね」とよく言われます。これは欧米人ではなく同じアジア人のコメントです。
ベトナムは確かに世界で一番肥満率が低い国です。しかし、子供の肥満率は年々急増しており、運動不足による隠れ肥満の人も増加しているのです。


ベトナムの肥満率は2.10%と、世界で最も低い。
引用元:World Population Review

昨今のベトナムでは、がん患者の死亡率がアジア最高であることや、空気汚染、汚染された食品に関するニュースにより、健康意識が高まっています。
Q&Meの2018年の調査結果によると、半分の回答者が健康意識は「良い」「非常に良い」と回答しています。

そこで今回は、ベトナム人が行っている健康維持行動をこの記事で説明したいと思います。

参考)
ベトナム人の健康意識と運動需要に関するベトナムマーケットレポート | Q&Me
隠れ肥満大国、ベトナムの現状 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構


安全な食品への志向



ベトナム人は、昨今の所得増加で、割高でも清潔で安全な飲食物を買えるようになりました。葉物野菜はベトナム人の毎日の食事に不可欠なものですが、野菜はもちろん、果物、牛乳、肉にもこだわりが増しています。
スーパーマーケットで「VietGAP」(「有機JAS認証」に近い)や「オーガニック認証」という安全基準を満たす商品が増えてきています。

その一方で、SNSでも安全な海外輸入、先進技術で栽培される飲食材に関する投稿も多く見かけられるようになり、注目を浴びています。
そうした食品の購入者が増えてきたため、QRコードで読み取り商品の原産地・畜産地などの情報も確認できるようになりました。



また、​​水質汚染や排水管網の老朽化に懸念を持ち、水道水ではなく綺麗な水にこだわる人が徐々に増えています。そのため水質テストペンや家庭用浄水器はECサイトで簡単に購入できるようになっています。

そして近年、食品や水の価格は以前よりも重視されなくなりました。
高い品質・安全性・美味しさを求める愛用者はもう中間層や富裕層の余裕がある人たちに限られてはいません。
多少割高であっても安全な製品や食品であれば、今後ベトナム市場を開拓していくチャンスは大きいと考えられます。


サプリメントと健康食品



美容や生活習慣病の拡大により、ベトナム人の健康食品へのニーズは高まっています。健康を維持するために、高価でも信頼性のある自然由来の健康食品に手を伸ばす人は少なくありません。
Kantarの2020年の調査によると、新型コロナウイルスが感染拡大している時期に消費者が買いだめしたのは、手指の消毒剤と食料だけではなく、免疫力を高める栄養製品でした。これらは特にリスクの高い高齢者や子供向けのものも含まれています。​​


栄養補助食品の製造会社の数(青)と、製造食品数(赤)の推移。
引用元:Gia Cong Thuc Pham Chuc Nang

近年、ベトナムでは栄養補助食品市場も力強く発展しています。

2000年には、ベトナムで栄養補助食を生産するために登録され資格を与えられた企業は13社しかありませんでしたが、 2017年には約4,190社にまで増加しました。

栄養補助食品の使用者数は、2019年に2,000万人を超え、ベトナムの人口の21%以上を占めています。現在、ベトナムの栄養補助食品は、国産品が70%以上を占め、残りの20%以上は海外から輸入されています。

参考)
Niem tin cua nguoi tiêu dùng voi thuc pham chuc năng: nghiên cuu tai mot so tinh mien Ba'c
COVID-19: Vietnam’s consumer changes and retail movements


DHCの例



海外のサプリメントはシェアをまだ広げられていませんが、日本ブランドはベトナム現地でも高品質、高技術、安全性の証として非常に好意的に受け止められています。
その中でも化粧品と健康食品のDHCの製品は人気を博しており、訪日ベトナム人の一番人気なお土産です。圧倒的な人気と需要に応じるように、2019年にDHCはベトナム国内での代理店契約を締結して店舗をオープンしました。

DHCベトナムの公式Facebookページ
フォロワー:82,355人




スポーツの流行



健康な体を維持するためには、食の安全を気にすること以外にも運動を行うことが必要です。
ベトナムでは、毎日のように朝早い時間に公園や広場で散歩したり、太極拳をしているお年寄りや、グループでダンスしている若い人が多く見受けられます。
都会人はジムに通ったり高額な家庭用運動器具を購入したりする人も多くいますが、特にジムで運動することを好む人は増えてきています。

Statistaの統計によると、2017年末までに、ベトナムのヘルス&フィットネスクラブの数は640に達し、タイとインドネシアを上回りました。


2021年のベトナムの主要なフィットネスジムブランドと店舗数
引用元:Statista

また、コロナ禍の影響を受けてもベトナムの「健康ブーム」はとどまるところを知らず、2020年にベトナムの主要な大型スポーツジムの1つであるCalifornia Fitness&Yogaに登録された新規メンバーの数は、2019年の同時期と比較して25%増加しました。

参考)
So luong hoi viên tai trung tâm the hình hàng đau Viet Nam tăng cao ky luc


まとめ



Nielsenの調査結果によれば、ベトナム人は自分の健康を心配し、健康志向が高まっているようです。


引用元:Nielsen

経済発展と共に、生活の質に気を配り、健康に対するニーズが非常に強くなるベトナム。ベトナム健康市場は今後ますます伸びていくのではないかと考えられます。

(執筆:ヴ ティ フオン リエン/編集:山下典久)



この記事を書いたのは・・・
写真クリスクベトナム スタッフ Vu Thi Phuong Lien/ヴ ティ フオン リエン

※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



▼今回の元記事
ベトナム人の健康への意識変化とサプリメント市場の発展
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