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COLUMN

2021.07.20中小企業とM&A

株の格言とM&A

  • M&A

本コラムでは、当社の経験豊富なシニアマネージャーが執筆しております。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



2021年も半分が過ぎました。
コロナ禍にも関わらず最高益を更新する企業は少なくなく、またワクチン接種進捗への期待、行き場がない資金の流入も相まって株式相場は昨年の第4四半期から活況を呈し、日経平均は2月15日に1990年8月以来30年6か月ぶりに3万円台を回復しました。

さて、株の格言の中にはM&Aを進める際にも参考になるものがありますのでいくつか紹介します。


『もうはまだなりまだはもうなり』

これはあまりにも有名な格言で解説の必要は無いかもしれませんが、「もう」底値だろうと思えるような時は「まだ」下値があるのではないかと一応考えてみる。逆に「まだ」上値があるのではないかと感じる時は「もう」この辺りが天井かもしれないと発想してみる、という教えです。
企業・事業の売却においては、右肩上がりの成長過程であれば買い手が多く、高く評価されますが、もっと自力で成長できると考えているうちにピーク・アウトしてしまい売り時を逃すケースが多く見られます。
成長過程だから「まだ」売りたくないと思っていても、「もう」売り時ではないかと一度冷静に考えてみることが必要なのかもしれません。
その際は、自分が買い手ならこの会社をいつ買いたいか、今ならいくらで買いたいか、3年後ならいくらで買うのか、というように買い手の立場に立って考えてみましょう。


『遠くのものは避けよ』

この格言がいう「遠くのもの」とは、自分があまり得意ではない分野や銘柄のことです。
つまり、よく分からない株は買うなという戒めで、『銘柄貧乏』という格言と同様に流行り物の株に手を出すと損をするという戒めです。

新規事業を立ち上げたい、収益の第三の柱をM&Aで、というご要望を聞くことがありますが、本業とは全く関係ない事業は求めず、せめて本業の周辺事業の買収を検討するべきと考えます。
売り手の立場に立つと、売却対象事業に関する知見が無い買い手候補に売ろうと(特殊事情でもない限り)思わないだろうことは容易に想像できます。
他に買い手候補がいる場合は価格面で相当優位に立てなければ買えないでしょう。


『売り買いは腹八分』、『頭と尻尾はくれてやれ』

人の欲は厄介なもので少しでも高く売りたい、少しでも安く買いたいと思うものですが、こうした欲に振り回されると本来取れていた儲けまで逃すことになる、という戒めです。

M&Aは相手があってこそ成立するものですので、お互いにどこかで折り合わなければ成立しません。
くれぐれも『意地商いは破滅の因』とならないように『株を買うより時を買え』の教えのように進めたいものです。


『買いにくい相場は高い』

株価が高いと買いにくいという心理が働きますが、高いことには何か理由があって買いが集まっているのでしょうから更に上昇する可能性もあります。
逆に安いのにも何か理由があるわけで、その理由を知らずに安いという理由だけで買うと更に値下がりするリスクを背負うことになりかねません。

M&Aにおいても、高い企業、安い企業それぞれに理由があります。
高成長中の高い企業、ニッチトップの高い企業、低成長の安い企業、薄利多売の安い企業、自社のビジネスモデル等に合わせた判断が要求されます。

『行き過ぎもまた相場』という格言もありますので価値の見極めはとても重要です。


『人の行く裏に道あり 花の山』

最後になりましたが、株の格言で何をおいてもまず出てくる有名な格言で、『友なき方へ行くべし』、『相場師は孤独を愛す』など類似の格言も多々ありますが、付和雷同で人並みのことをやっていたのでは人並みの結果しか得られないという戒めです。

M&Aの世界では誰もが欲しがるターゲットは自ずと価格も高くなりますので、投資のリターンは当然に低くなります。
一方で、誰も目を向けないような案件は競合が少なく、磨けば光る原石を思いがけない安値で手に入れることができるかもしれません。
以前、債務超過企業のM&Aについて執筆しましたが、それらの中にはこのようなケースがよく見られます。




株式市場の活況とポストコロナの明るい未来が一日も早く来ることを願って、兜神社に近々お詣りに行ってきます。





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