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COLUMN

2021.05.26企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.64

  • 借入金

本コラムは、(株)日税ビジネスサービスの「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
創業25年の廃棄物処理業を行っている副社長からの相談。
社長(兄):58才、母親と同居
副社長(弟): 55才、妻、子供2名と賃貸マンション住い
年商:3億円
借入金:1億5,000万円
現預金残:今年の3月に3,000万円あった現預金が、1,500万円に減少している。
その他:社長が病気で会社に出てこられないために、副社長が今は社長業務を行っている。


■相談点

1. メインバンクの地方銀行からの借入で保証人となっている現社長の兄から、現在は保証人にはなっていない相談者の弟に社長が代わり、相談者が保証人となれば、「兄の保証を外し、保証人を一人にできないのか?」と銀行に確認したところ、リスケ中のものは外せないと言われたのだが、どうにかならないか?

2. 借金を減らすためにはどうしたら良いか? どうしたら利益を上げられるか?



■アドバイス

1. 保証人に取締役という役職が付いていれば“経営者保証”であるが、付いていなければ“第三者保証”である。現在は金融庁の指導により、第三者保証は取ってはいけないことになっている。お兄さんがただの会長になり、会社の売上状況が良ければ、新社長一人の保証で済むように交渉することはできる。外してもらえない場合も、その理由とどうしたら外してもらえるのかを確認することができる。
社長を交代するタイミングでお兄さんの保証を全て外し、新社長が保証人となり、今後も財産を持たない。お兄さんの保証を外すためには借入金の1億5,000万円を10年で返済できる根拠を金融機関に示す必要がある。つまり、1年間1,500万円の簡易キャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)を継続できれば保証が外れる可能性は高い。


2. 借入金を減らしても赤字体質であれば、また借金が増えてしまうので事業内容の調査を行い自社の現状を把握する必要がある。借金を減らすためには第二会社方式で事業だけを移し、今の会社に借金を置いてきてしまえば良い。
売上と経費がほぼ同じで、経費が相対的に多いので利益を出せる余地がある。




※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。