皆さんこんにちは! クリスク・マレーシアのヌルルです。
日本ではアマゾンや楽天などが人気のオンラインショッピングサイトですが、マレーシアではLazadaとShopeeというサイトが最も人気です。
今回はこの2つのサイトの、切っても切れない関係性を利用した面白いPR手法をお届けしたいと思います。
※マレーシアにおけるLazada・Shopeeが知りたい方はまずこちらの記事をごらんください
マレーシアでのShopee・Lazadaマーケットシェア
2012年創業と先発であったLazadaがしばらくマレーシアのマーケットをリードしていましたが、2019年にはShopeeがサイト訪問者数で上回りました。
2020年のコロナ禍でますます勢いを付けた
Shopeeが、現在ではマレーシアにおいて圧倒的な人気を誇っています。
▼マレーシアにおける2021年1月のECサイト訪問者数とサイト滞在時間の比較Sitegiantのデータをもとにクリスク作成
勝因の一つは、Shopeeはプロモーション予算の多くを消費者にために当てており、販売店側に送料の補助金を与え、早くから送料無料キャンペーンを実施。
また多数の配送会社と契約があることから、消費者に配送オプションを与えるなど、使い勝手の良いサービスを提供したことがあげられます。
誕生祭で巻き返しを狙うLazada
Shopeeにシェアを拡大されてしまったLazadaですが、去る3月27日に創業9周年を祝う「Lazada Surprise Birthday Sales / 27 March」を大々的に行いました。
The Starというサイトによると、キャンペーンに参加した販売店の数は前年の150%に増加しました。
有名人やインフルエンサーも活用
セール期間に先駆け、誕生日の前日にはマレーシアの地上波TV3とコラボ。
ゲストにあのKaty Perryを招いて『Lazada Super Party』という名の2時間にも及ぶコンサートが放映されました。
また、公式YouTubeでは人気韓国人俳優のLee Min Hoを起用した動画を発信。
さらにはローカルインフルエンサーを起用したSNSでの宣伝活動や、デジタル広告を多方面で行い消費者にPRを行っていました。
ライバル会社もPRに活用…?
たくさんのPRを行っていた、Lazadaの誕生祭ですが、筆者にとって一番インパクトが大きかったPRは、ライバル社Shopeeにバースデーケーキを送り付けた(!?)というものでした。
こちらがそのケーキです!
引用先:Lazada Malaysia Instagram
https://www.instagram.com/p/CM07GH3h1LE/ケーキには「Birthdays are best celebrated with friends」と書かれています。
協力会社には小さなケーキが贈られただけなのに対し、ライバル社には豪華5段のケーキ!このケーキの受取人であり、Lazadaの「Friend」であるShopeeの反応はと言うと…
引用先:Shopee MY Facebook
https://www.facebook.com/ShopeeMY/photos/p.2943318395920468/2943318395920468/まさかの大盛り上がり!(笑)
Shopeeのフェイスブック投稿には
お誕生日おめでとう!ケーキめちゃくちゃ美味しかった😊ありがとう!Lazadaの9周年を記念して、4月4日にShopeeサイトで開かれるMega Shopping Dayで使える9リンギのバウチャーをみんなにプレゼントしちゃいます!コード:HAPPY9BDAY273 みんなで一緒にお祝いしよう!
と人のセールに乗っかり自社セールのPRをちゃっかり行っていました。
この投稿に対しLazada側も負けじと
Shopee、お祝いの言葉ありがとう!ケーキ喜んでもらえて良かったよ。よし、このキャンペーンをもっと特別なものにしようと思う。明日の誕生日セールで使えるバウチャー、あげちゃいます!<HAPPY9BDAY273>みんなショッピング楽しんでね!
と、Shopeeと全く同じプロモーションコードで更に特別バウチャーを用意してしまいました。
引用先:Lazada Malaysia Instagram
https://www.instagram.com/p/CM3i8qxh4Ck/画像には、「赤いケーキ(Shopeeのコーポレートカラー)も青いケーキ(Lazadaのコーポレートカラー)もみんなにギフトのバウチャーあげちゃいます!」と書かれています。
この様子は、マレーシアの人気オンラインメディア数社で取り上げられ、半分いたずらで送ったつもりのケーキが思わずLazada、Shopee両社のセールの告知になった事例になりました。
他業界でもライバル企業を巻き込む事例が
実はマレーシア、こういった競業を巻き込んだPRが得意。
航空会社のAirAsia。コロナ禍の活動制限令中に発信されたショッピングモール、ファストフード店も同様にライバル企業を巻き込んだPRを行っていました。
AirAsia × Virgin Atlantic Airways
2009年。マレーシアが誇る航空会社AirAsiaと、イギリスの航空会社VirginグループはそれぞれF1チームを保有していました。
その年の12月、AirAsiaの社長であるTony Fernandes’とVirginグループの社長Richard Bransonがお互いに
「どっちがレースで勝つか賭けてみないか。負けた方が勝った方のエアラインでキャビンアテンダントとして搭乗する」といったスケールの大きな、半分ジョークのような賭けレースを行いました。
その結果、AirAsiaが保有するLotus F1チームが勝利!
賭けレースの約1年半後、180cmと長身のRichard Bransonがなんと特注の制服に身をまといAirAsiaの航空機にキャビンアテンダントとして搭乗!
チャーター便でしたが、チケットは完売だったそうです。当日の様子はBBCニュースでも取り上げられるほど、業界にインパクトを与え、世界中にAirAsiaの名前を周知するイベントになりました。
https://www.bbc.com/news/av/world-22499827ショッピングモールの助け合い
クアラルンプールの繁華街にある老舗ショッピングモールのSungei Wangが、「今は困難な時期だけど、またたくさんのお客さんを迎い入れる日が来るよ!
モールのみんな、一緒に乗り越えよう!」というメッセージを発信。
それに対しマレーシア国内のモールやドラッグストア、レンタカー会社から
「止まない雨はない」、「そのスピリット良いね!」、「お互いに助け合おう!」というコメントが投稿されました。
そして消費者からも
「自分もできるだけサポートするね!」という、国全体を巻き込んだ前向きなムードを作った投稿になりました。
ファストフード店とデリバリーサービス
コロナ禍の中、ファストフード店のKFCが、デリバリーサービスのGrab FoodやFood Pandaに向けて感謝の気持ちを伝える投稿を行いました。
画像にはライバル社のマクドナルドやピザハットの姿も。
感動的な投稿ではありますが、コメント欄には
「5レンジャーの中に自分が入っていない」と、他のファストフード店が自虐的なコメントをしていたりと、微笑ましくもあり、消費者としては全てのお店を応援したくなる心温まる投稿になっています。
ライバル会社=同じ業界を盛り上げる仲間
一見ライバルに思える競業者を自社のPRに巻き込んで、業界全体を盛り上げる方法をとることが上手なマレーシア人。
話題性にも長け、メディアが取り上げたくなるような仕掛けになっており、消費者の反応も得られるこのPR手法。
日本では嫌煙されるかもしれないこんな手法も、現地スタッフのコンサルテーションを入れることで、各市場に印象の残るPR・マーケティングを作っていくことができるでしょう!
私たちクリスクも一緒に考えていきますので、楽しいPRを海外で展開してみませんか!
(執筆:Nurul Asyikin/編集:きたざわあいこ)
この記事を書いたのは・・・クリスクマレーシアスタッフ NURUL Asyikin/ ヌルル ※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。
▼今回の元記事ライバル企業をも自社PRに活用!たくましいマレーシアのPR手法 事例紹介クリスクのサイトにジャンプします 免責事項について
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