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COLUMN

2021.02.10企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.61

  • 廃業
  • 借入金
  • 開業

本コラムは、(株)日税ビジネスサービスの「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■質問内容
洋装店を営まれている社長様から現在の事業を廃業し、新しい事業を開業する方法についての相談。
父の代から家族で洋装店を40年営んでいます。形態は個人事業です。最近ずっと赤字が続いています。自分も高齢になったので廃業したいと思っています。
息子は、洋装店をやめて飲食店を開業したいと言っています。銀行からの借入残が3,000万円ほど残っています。一階がお店で二階が自宅となっています。その不動産には担保が付いています。
洋装店を廃業して息子の言うように飲食店を開業するとしたら、銀行にどのように言えばいいでしょうか?


■アドバイス

①洋装店の廃業と飲食店の開業は別々に考えなければなりません。

②自宅兼店舗の不動産価値がいくらなのかを調べます。その価値額と銀行からの借入残の3,000万円とを比較します。


<例>

・自宅兼店舗の不動産価値: 8,000万円

・銀行の借入残額: 3,000万円

・飲食店の開業資金借入可能額:(8,000万円×70%)- 3,000万円=2,600万円


③現在の銀行借入残額3,000万円と飲食店開業借入資金2,600万円の合計5,600万円を5年で返済が可能かどうかです。支払い利息も含めると極めて難しいです。

④現在の借入残の3,000万円は10年間の返済で銀行に交渉する。可能ならば20年間の交渉をします。これならば、自宅を失わず年金の範囲内での返済も可能です。また、一階店舗を賃貸する方法もあります。

⑤飲食店は自己資金の範囲で計画すべきです。

⑥先ずは、高齢者夫婦が安心して生活できる状況を作ることが大事です。




※コラムに関するご質問は受付しておりません。予めご了承ください。



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松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。