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COLUMN

2020.06.08海外情報

タイ人は個人情報の公開に寛容すぎ? PDPA(個人情報保護法)施行で意識は変化するか

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こんにちは、クリスク・タイのパーです!

皆さんはどれくらい個人情報の流出を意識していますか?

タイ人は、SNSなどへのプラットフォームに登録すること、SNS上に自分の個人情報を乗せること、SNSアカウントで企業アカウントと友達になることなどがよくあります。

そんなタイ人の行動について、「タイ人には個人情報を共有することに抵抗を感じないように見えるけど、どうして?」と日本人の友人にたびたび聞かれます。もちろん、公開することに問題はあります。

今回は、どうしてタイ人が個人情報をオンラインに投稿することに抵抗が薄いのか、そして、どんな問題が発生しているのかを説明します。

なお、タイではこの社会問題に対して、 個人情報保護法【Personal Data Protection Act(PDPA)】が施行されることが決まっています。
施行日である2021年5月31日までに 個人情報の管理や処理を行う企業は十分な準備が必要です。




タイ人の情報流出への危機意識はどれくらい?



ETDA(Electronic Transactions Development Agency)によって2018年に発表されたデータによると、「インターネット上の行動による問題」というテーマについて、個人情報流出を問題だと考えるタイ人はわずか11.5%でした。

また、インターネット上の詐欺被害問題に対しては、6.8%しか問題と考える人はいませんでした。

このようにタイでは、個人情報流出が危険であり気を付けないといけないこととして意識していない人が多いのです。




こんなに個人情報を載せるのが平気!



ETDAの2018年データによると、タイ人は個人情報流出のリスクが高い行動をよく行っていると言います。

■タイ人が行なっている個人情報流出のリスク性が高い行動ランキング

1.金融サービスの登録 71.3%

2.日常生活に関するサービスに登録 58.4%

3.SNSに登録 50.1%

4.公共サービスに登録 32.3%

5.報酬・プレゼントをもらうために登録 28.3%

6.無料サービスに登録 26.3%

7.オンライン就職活動サイトに登録 11.2%


※赤色は個人情報流出のリスク性が高い行動です

「金融サービスの登録」はタイ社会におけるキャッシュレス化が進んでいるため必要と言える項目でしょう。しかし他の項目は、プロモーションや報酬などをもらうための行動であるため、注意が必要です。

参考)
https://www.etda.or.th/publishing-detail/thailand-internet-user-profile-2018.html


タイ人消費者はパーソナライズされたマーケティングを期待している



Accenture発行の「Financial Services Consumer Study 2019」のレポートによると、特別なプロモーションやディスカウントなどがもらえるなら、74%のタイ人消費者は喜んでロケーションやライフスタイルなどの貴重な個人情報を、利用している銀行と保険会社に提供するそうです。

タイ人は、パーソナライズされたサービス、プロモーション、優先的な利用権利、そしてディスカウントなどがもらえることを期待して、個人情報を渡していることがわかります。




SNS上での個人情報投稿



では、SNS側に投稿されている個人情報はどうでしょうか。

タイ人は、自分の写真をSNSに乗せたり、リアルタイムでロケーションチェックインしたり、SNS上の個人アカウントから物品を購入する時に住所を教えることは珍しくありません。しかも、友人のみ公開などの公開範囲の設定 をしていない人も少なくないのです。

それはいったいなぜなのでしょうか。
アンケートからは、安全性への過信と、SNSの設定方法がわからないまま利用している人が多いことが分かります。

■SNSのプライバシー設定をしたことがない理由ランキング

1.自分のSNSは安全だと自信があるから 46.1%

2.上に個人情報があっても気にしないから 31%

3.プライバシー設定のやり方が分からないから 22.2%

4.プライバシー設定が可能ということ自体が知らないから 19.6%

5.プライバシー設定のやり方について検索する時間がないから 13.7%



参考)
https://www.etda.or.th/publishing-detail/thailand-internet-user-profile-2018.html




どこまでが大丈夫?理由は? 個別に意見を聞いてみた



タイ人であっても、もちろん個人個人でプライバシーに関するガードの硬さは違います。そこで、筆者の周りの人にも本音の意見を聞いてみました。


【質問】SNSに多少の個人情報を乗せても大丈夫だと思う?



「一応プライバシー設定をしているので、信用出来る悪い人ではないフォロワーだけならば、個人情報を乗せても悪用することはないと思っている」

自分は有名人でもないので、多分見る人はほぼ友達。ストーカー問題もなかろうと思っているので写真投稿やロケーションの情報を公開投稿しています。利用されそうな画像は透かしなどを入れておきます」

「なりすましなどの個人情報を利用した被害は、写真や他の個人情報をたくさん使わないと出来ないと思っている。しかし、自分はそのような個人情報を頻繫に投稿してないので、利用することは出来ないでしょう」

プロモーションをもらえる時のみ、公開設定に変えている。プロモーションをもらった後はプライベート設定に戻しています」

「ライフスタイルや自撮り写真などの画像だけを公開投稿にしています。なりすましのInstagramアカウントを作られたことがあったが、特に被害はありませんでした

仕事上のコンタクトなどが理由で、職場や学歴情報を公開しています」

フォロワーは外国人や現実で関わりのない人ばかりなので、個人情報を利用することは恐らく出来ないという理由で、自分の写真や個人情報を公開投稿しています」

どうでしたか?

やはり人によって個人情報への考え方は少しずつ違いますね。




個人情報を載せて、実際にトラブルはないの?



これだけ個人情報を共有・投稿しているタイですが、少しずつトラブルが増加しています。

▽インターネット上の詐欺被害数
… 6.3%(2017年)→ 6.8%(2018年)に上昇

▽個人情報侵害数
… 11%(2017年)→ 11.4%(2018年)に上昇

参考)
https://www.etda.or.th/publishing-detail/thailand-internet-user-profile-2018.html


個人情報を利用して、偽アカウントを作られる、なりすましの詐欺に騙されるような被害者も見られます。
インターネットの利用率が増加していく中で、このような問題もタイ社会で増加していくでしょう。




PDPA(個人情報保護法)の施行



日本では2003年より施行されていた個人情報保護法ですが、ついにタイでも2021年5月31日から完全施行されることとなりました。

PDPAの内容は以下のようなものが挙げられます。

まず「個人情報」の概念が明確になり、例えば、名前、電話番号、写真、住所などのような、特定の個人を識別できるものがあたります。
また、個人情報はデータの保護・管理責任者の指定が必要になります。

そして一番重要なポイントが、個人情報を取得・利用・公開するためには、情報提供者の同意が必要になるとのこと。

この法律の導入によって、個人でも企業でも、個人情報の入手・利用をより慎重に行う必要があります。
日本ではすでに施行されているため意識している企業も多いでしょうが、タイ人スタッフは慣れていない場合も考えられるため、トレーニングを行うなどして対策しておく必要がありますね。

参考)

https://techsauce.co/tech-and-biz/pdpa-big-data-private-law


https://www.techtalkthai.com/8-things-you-should-know-about-pdpa/


https://www.etda.or.th/publishing-detail/the-context-of-personal-data-protection-in-other-laws.html


https://www.marketingoops.com/news/biz-news/postpone-pdpa-for-1-year/


https://piripiri.bigbeat.co.jp/blog/Thai-PDPA





まとめ



タイ人が個人情報を提供する理由は、サービスに登録するため、そして特別なプロモーションなどがもらえるからというのが大きいようです。

今後もタイ人は個人情報の提供を続けると思いますが、今回の個人情報保護法の開始で情報流出などがニュースになるなどの機会が増え、タイ人の意識が変わっていくことも考えられます。

ユーザーの情報はとても貴重なもので、マーケティングには欠かせないもの。この法律施行について改めて気をつけ、タイ人ユーザーの信頼を獲得できる対応・対策が必須となってくるでしょう。

(編集:きたざわあいこ)




この記事を書いたのは・・・
写真クリスクタイスタッフ PanidaRugsaj/パニダー・ラックサット
※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。

▼今回の元記事
タイ人は個人情報の公開に寛容すぎ? PDPA(個人情報保護法)施行で意識は変化するか
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