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COLUMN

2020.04.17産業情報

Connected Trip から見える伝統的旅行会社の目指すべき方向性 ~大手 OTA の戦略からの示唆~

  • Mizuho Short Industry Focus
  • 経済情報


Mizuho Short Industry Focus 177号
Connected Trip から見える伝統的旅行会社の目指すべき方向性 ~大手 OTA の戦略からの示唆~

2020年3月2日 発行

【要約】

◆インターネットの普及が進む中で、旅行業界においてもインターネット上だけで取引を行う旅行会社、すなわちOnline Travel Agent(以下、OTA)の存在感は日増しに高まっている。そのような中、2019年の英 Thomas Cook Group の破産は、従来型の伝統的旅行会社がビジネスモデルの大きな転換期を迎えたことを示唆している。


◆一方で、成長を続ける外資系 OTA 各社も、新たな旅行の概念として、ワンストップで予約ができ、アフターフォローも自動で完結できるサービスである「Connected Trip」を打ち出し、従来強みとしていた安価に大量の旅行素材を提供するスタイルから、サービス面を重視する戦略にシフトしようとしている。背景には、情報の一大プラットフォーマーである米 Google が旅行関連サービスを拡充し、その膨大な顧客データと自社サービスを以てOTAの領域へと徐々に進出するなど、新規参入の脅威が迫っていることがあると推測される。


◆だが、伝統的旅行会社が従来提供していたパッケージツアーは、交通、宿泊、飲食といった各旅行素材を組み合わせて提供しており、外資系OTAの打ち出す「Connected Trip」のいわば原型ともいえる存在である。伝統的旅行会社は、成長著しい OTA に対抗するために徒に後追いをするのではなく、自社のノウハウや、かねてより培ってきたサプライヤーとの信頼関係をベースにした、質の高いサービスを OTA に先んじて提供することで顧客への訴求力を高めることが出来るのではないだろうか。


◆また、将来的に「Connected Trip」のような旅行体験が標準化した場合、顧客が旅行会社を選ぶ際に最も大きな要因となるのはその会社でしかできない体験となるであろう。伝統的旅行会社が、各地の地元業者やモビリティサービスなど、様々な事業者、サービスとつながり、自社のオリジナルコンテンツを開発することで、旅行業界において復権することを期待したい。



・・・内容はPDFをご覧ください。




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みずほ銀行 産業調査部

※本記事は、みずほ銀行より掲載許可をいただき、同行ホームページで公開されている記事を転載したものです。
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