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COLUMN

2020.03.23海外情報

官民一体で進めるインドネシアeコマースの普及 課題とその可能性

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こんにちは!
クリスク・インドネシアのタニアです!

インドネシアでは、総事業者数の約99.99%(6,290万社)が、中小企業となっており、大企業はわずか0.01%(約5,400社)です。※2017年インドネシア協同組合省データ参照

なかでも、社員数が5人以下であるマイクロ企業は、98.7%と非常に多くなっています。


▼事業規模の割合


引用元:https://bit.ly/2TidY3l


▼インドネシアにおける事業規模区別の基準


引用元:https://bit.ly/2PFbw4t

当然、労働者の多くも中小企業で働いており、労働人口の約97%にあたる約1億1,600万人の労働者が中小企業での労働に従事。大企業で働いている人は、約3%(約358万人)しかいません。

そんな中、協同組合省が小規模企業に多くの機会を提供しているため、近年、中小企業は急速な発展を遂げています。中でも特に注目すべきは、eコマースを事業としている中小企業です。

そこで今回は、インドネシアのeコマースサービスと発展のための課題などを紹介していきたいと思います。




インターネットユーザーの増加状況




インドネシアのインターネットユーザーの成長のグラフ
引用元:https://bit.ly/38egQSR

2017年のインドネシア・インターネットサービスプロバイダー協会(APJII)の調査結果によると、2010~2017年までの7年間でインドネシアのインターネットユーザーは4,200万人から1億4,300万人に増加しました。
これにより事業者は、スマホなどを活用してビジネスマーケットを拡大し、メッセージアプリやSNS、eコマースなどを使用して、製品を販売し始めました。




インドネシアにおけるeコマースの可能性は?



2016年のAPJIIのデータによると、8220万人がeコマースサイトへ訪問したことがわかりました。そのうち32%のユーザーが商品を購入しています。

しかし、eコマースサイトを販売に使用した企業は9%のみです。これは、インドネシアではeコマース開発の可能性が非常に大きいことを示しています。

eshopWorldによれば、インドネシアのオンライン購入者は、2022年までに4390万人に達すると予測されています。


引用元:https://bit.ly/2Thj2Vz




政府も推し進める中小企業のオンライン市場の拡大



インドネシア通信省の2020年におけるインドネシア経済のビジョン「デジタルエネルギーアジア」を実現するために「UMKM Go Online」というプログラムが発表されました。


引用元:https://bit.ly/38dWvxb

このプログラムでは、800万の中小企業の起業家をオンライン市場へ参入させることが目標となっています。オンライン市場では、国内・グローバル問わず幅広い市場にリーチできるため、中小企業であってもマーケティング・家賃などのコストを削減し、売上・利益を拡大することが可能です。そのため、インドネシア政府は、このプログラムを推進しています。

しかし、大きな可能性を秘めているにも関わらず、インドネシアの中小企業のデジタル化は、さまざまな基本的な問題に直面しています。
それはどのようなものでしょうか?




デジタル化の問題点



インドネシア情報通信省は、800万のオンライン中小企業を獲得するという目標が達成されたと伝えました。しかし実際には、中小企業全体のたった14%しかオンライン市場での取引を行っています。

デジタル経済のオブザーバー・Yudi Candraによると、中小企業のデジタル化には、以下のような問題があるそうです。


従来のマーケティングで営業している中小企業が多数



インドネシアのインターネットユーザー数は、約1億4300万人と非常に多くなっていますが、田舎など一部の地域ではまだインターネットの使用自体が珍しいものです。
また、SNSの利用者は多いですが、使い方を理解していない人がまだ多いため、充分に活用できていません。


オンラインマーケティングへの理解不足



そもそもインターネットやSNSの使い方の理解が不足しているため、オンライン上でのマーケティングの容易さを知らない企業がいまだに多くあります。


政府のデジタル化への支援不足



中小企業のデジタル化の理解を進めるための政府からの支援の不足があります。田舎に住む国民に対するインターネット均等化プログラムがまだ完全に実行されていないこともそのひとつの要因と考えられます。




解決策はある? 行われている?



このような課題を解決するため、インドネシアの政府とユニコーン企業は、中小企業をデジタル化するためのソリューションの提供と支援に取り組んでいます。

たとえば、eコマース事業を行うBukalapakは協同組合省と協力し、ビジネスマン向けのトレーニングプログラムと技術・物流支援しています。


引用元:https://bit.ly/2VGMOVc

さらに、インドネシアを代表するインターネット企業・GOJEKは、ビジネススキルと中小企業市場のオンラインビジネス拡大を目的とした「GOJEK Wirausaha」と呼ばれるビジネス・トレーニングプログラムもあります。

このように、現在は官民が一体となって中小企業のためのオンラインビジネス拡大を目指している途中です。




オンライン化で成功した中小企業事例



前述のように、インドネシアの中小企業がオンラインでビジネスを行うにはまだ多くの問題があります。しかし、1日あたり数百万円の売り上げを達成し、ビジネスを国際市場にまで進出させることに成功した中小企業もあります。

一部ですが、企業とそのビジネスを紹介しましょう。


Men’s Republic




URL:https://www.mensrepublic.id/
Shopee:https://shopee.co.id/mensrepublicid
Facebook:https://www.facebook.com/MensRepublicID/
Instagram:https://www.instagram.com/mensrepublicid/


Men’s Republicは、2014年に設立されたメンズファッションブランドです。店舗販売に加えて、オンラインマーケティングも積極的に行っています。

eコマースサイト、ブログでの販売から始め、今ではMen’s Republicは、YouTube、Instagram、LINEも使用しています。 こういったオフラインとオンラインでの販売のおかげで、Men’s Republicは1か月あたり最大約2億ルピア(約152万円)の売上をあげています。

Aeroculata




URL:https://aeroculata.com/
Shopee:https://shopee.co.id/aeroculata
Facebook:https://www.facebook.com/aeroculata/
Instagram:https://www.instagram.com/AEROCULATA/


2011年にスラバヤ出身のFenny Angela氏によって設立されたAeroculataは、カスタムメイドのジュエリーブランドです。当初、ポップアップストア(空きスペースに一定期間だけ開設される臨時店舗)の仕組みがまだ普及していないため、このブランドは製品の販売に苦労していました。そのため、Aeroculataはオンライン販売を決定しました。

オフラインとオンライン上でデザイン性の高さやカスタマイズできることから人気となり、現在シンガポール、マレーシア、日本、オーストラリア、アメリカの国際市場にも進出しています。




まとめ



インドネシアの中小企業の数は、6,290万社と非常に多いです。より多くの中小企業がオンラインで運営されれば、国の経済を改善し、インドネシアの大きな問題の1つである失業を減らすこともできるでしょう。

政府や大企業がもっと中小企業を支援し、全国隅々までデジタル化が進み、オンラインマーケットが拡大すれば、インドネシア経済はさらに進歩し、グローバル市場での競争力も高まっていくでしょう。


(編集:きたざわあいこ)





この記事を書いたのは・・・
写真クリスクインドネシアスタッフ タニア・パラミタ(Tania Paramita)
※本記事は、株式会社クリスクより掲載許可をいただき、同ホームページにて公開されている記事を転載したものです。

▼今回の元記事
官民一体で進めるインドネシアeコマースの普及 課題とその可能性
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