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COLUMN

2019.10.25企業再生・経営

金融機関交渉Q&A vol.45

  • 資金繰り

本コラムは、当社「日税主催研修」「日税オンデマンド」でも講師としてご活躍いただいている(株)事業パートナーの代表取締役社長・松本光輝先生に、300社を超える会社の再生の成功体験をもとに、金融機関交渉に関してQ&A形式でまとめて頂きました。この情報が関与先様へのアドバイスの一助となれば幸いです。



■現状
業種:工務店
年商:1,800万円で利益はトントン、3年前に前経営者から事業を引き継ぎ、代表者変更登記をしている。代表者は45歳、配偶者35歳、長男14歳、次男9歳。自宅は12万円の賃貸アパートで会社事務所も兼ねている。銀行やカードの借入は行っていない。12月に70万円、1月30万円の入金がある予定である。
問題は、3年間税務署への申告を行っていないことと、買掛金の未払いが18社で1,400万円ほどあり、毎月32万円程の約束返済額なのだが守られていない。また、家賃も6ヶ月間支払っていない。

■相談点
12月の買掛金支払いの目処が全く立たず、今後どうしたら良いのか分からない。


■アドバイス
未払い金の支払いのことよりも依頼者の生活の確保を優先させる。

1. 家賃を除いた家族4人分の生活費、12月、1月の2ヶ月分44万円(22万円/月)を入金予定額100万円から優先的に確保する。

2. 過去に支払っていない分の家賃を12月分から1万円上乗せして、計13万円ずつ支払って住み家を追い出されないようにする。

3. 12月、1月の入金合計100万円から“生活費44万円”、“家賃24万円”を引くと32万円が残る。

4. 12月、1月の入金に対する買掛支払い32万円に対して、上記の内“20万円”を支払う。

5. 買掛未払い金が18社で1,400万円あるということに対しては、各社に5,000円を持って訪問し、「現在、支払えるのはこの5,000円だけであり、残金は今後、一生懸命営業をやってお支払いする。」と伝え、その後は毎月5,000円の現金を持って訪問する。目的は、債権者を味方に付けて仕事を作ってもらうことである。

6. この会社は廃業して、第二会社を従業員に設立してもらい経営は継続する。


■ポイント

1. 先ずは、社長と家族の生活を確保すればその先がある。これをしないと、全員が不幸になる。

2. 仕入業者を味方に付けて、仕事を作ってもらうことによって早く返済する。

3. 毎月5,000円を持って買掛未払い先を訪問することに意味がある。






vol.28以前のコラムは、日税ビジネスサービスのホームページにて、「日税メールステーション」バックナンバーページに掲載しています。
日税メールステーション 『金融機関交渉Q&A』バックナンバー


松本 光輝

株式会社事業パートナー 代表取締役40年にわたり、飲食業を中心に会社経営。バブル崩壊時に25億円の負債を抱え、その後3年半でその負債を解消する。2003年より、事業再生請負人として全国行脚中。この間、依頼先の多くが1~2ヶ月以内に、資金ショートに陥るおそれがあるという危機的状況の中から、1社も倒産させることなく、300社を優に越える会社の再生を成功させる。
◎過去の経験を活かして、中小企業経営者の最高の相談者となるべく、活動を続けている。
◎経営者はもとより、幹部社員の皆様・社員の皆様の声をくみ上げ、共に全社一丸となった再生を達成すべく、全力で取り組んでいる。着手後、30日以内に再生計画を作成して、実行に移している。
◎会社を3年かけて再生させる独自の再生術は、他に類を見ません。