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COLUMN

2019.10.18税務コンサルのポイント

[別表四]各論編⑧~役員給与~

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 法人税

十七 役員給与
1 定期同額給与
(間違えやすい事例)
○出向先法人で役員となっている者に対する職務執行の対価を給与負担金として出向元法人に支私っている場合には、出向先法人から出向元法人への支払形態によって定期同額給与かどうかを判断するにもかかわらず、改正前の取扱いと同様に、出向元法人から出向者に対する支払方法を勘案して判定しているもの(基通9-2-46)。
○使用人兼務役員に対する使用人職務分給与は、定期同額であるかどうかの判定を要しないにもかかわらず、その判定を行っているもの(法34①)。
(注)なお、委員会設置会社の取締役は、当該委員会設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができないことに留意します(会社法331④)。
○期中に役員の分掌変更等の臨時改定事由が生じたことにより役員給与額の改定を行った場合に、その改定が事業年度開始の日から3月以内に行われていないことをもって損金不算入としているもの(令69①一ロ)。
★○専務取締役、常務取締役、監査役及びその他使用人兼務役員に該当しない役員に対する給与について、使用人分給与相当額として損金算入を認めているもの(法34①⑤、令71)。
(注)いわゆる特定役員(同族会社の役員のうち、法令71①五の要件を満たす者)は、使用人兼務役員になれない点に注意します。


2 事前確定届出給与
(間違えやすい事例)
★○職務執行期間開始の日から1月以内に支給額等の届出がされていない給与について、他の使用人と同時期に支給していること、かつ、毎期継続して支給していることのみを根拠に損金算入を認めているもの(法34①二、令69③一)。
★○過去の職務執行の対価であることが明らかである(例えば、任期満了者も支給対象としているものや前期末に引当金計上しているもの等)にもかかわらず、将来の職務執行期間の中途で支給したものとする届出書の提出による損金算入処理をそのまま認めているもの(法34①二、令69③一)。
○同族会社に該当しない法人が定期給与を支給しない役員に対して支給する事前確定給与については、その定めの内容に関する届出が不要であるにもかかわらず、届出がないことを理由に損金不算入であるとして否認しているもの(法34①二かっこ書き)。


3 利益連動給与(業績連動給与)
(間違えやすい事例)
○持株会社の子会社など、同族会社(いわゆる非同族の同族も含む)に該当する法人であるにもかかわらず、利益連動給与を損金算入の対象としているもの(法34①三)。
○事後の株主総会等で支給決議を行うもの等、事前に算定方法が確定しているものとはいえないものについては損金算入の対象とならないにもかかわらず、損金算入処理を認めているもの。


4 過大役員給与
(間違えやすい事例)
○役員給与の限度額に使用人兼務役員の使用人分の額を含めない旨を定款に定めず又はその旨を株主総会の決議によって定めていないのに、使用人兼務役員の給与から使用人分の給与の額を控除して役員給与の額を計算し、支給限度額と対比しているもの(法34②、令70、基通9-2-22、9-2-23)。
○使用人兼務役員であった者が使用人兼務役員とされない役員(令71①)となった場合において、その直後にその者に対して支給した賞与の額のうち、使用人兼務役員であった期間に係る使用人分賞与の額として相当であると認められる部分の金額については、損金算入が認められるのに、これを否認しているもの(基通9-2-27)。
○使用人兼務役員に対する給与の損金算入の適否について、使用人としての職制上の地位の有無、比準者との比較等による検討を行っていないために、役員給与の損金不算入額が加算もれとなっているもの(法34②、令70、基通9-2-23)。
○使用人の支給時期と異なる時期に使用人兼務役員に支給した賞与を、使用人としての職務に対する賞与の額であるとして損金の額に算入しているのに、そのまま認めているもの。
(注)使用人兼務役員に対する使用人分賞与として相当な額は、他の使用人に対する賞与の支給時期に支給し、損金算入したときに認められます(法34②、令70、基通9-2-26)。
☆○使用人兼務役員の使用人としての職務内容からみて比準使用人として適当な者がいない場合に、単に使用人のうち最上位の者の給与の額を、使用人兼務役員の使用人分の給与の額としているもの。
(注)比準者として適当な者がいないときは、その使用人兼務役員が役員となる直前に受けていた給与の額、その後のベースアップ等の状況、最上位の使用人に支給した給与の額等を参酌して適正に見積もった額によります(法34②、令70、基通9-2-23)。
○役員に対する認定賞与ではなく、貸付金処理を行う場合に、金銭消費貸借契約書、取締役会議事録、貸付金受入伝票等、会社内部の手続きの確認をしないで、これを貸付金として処理しているもの。
○役員の海外渡航費中、法人の業務の遂行上必要と認められない部分の金額は、当該役員の給与(賞与)とすべきであるのに、法人の損金を認めているもの(基通9-7-6、9-7-7、9-7-8、9-7-9、9-7-10)





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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。