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COLUMN

2019.09.19税務コンサルのポイント

[別表四]各論編⑦~保険の配当金、評価益、受取損害賠償金、合併差損益、その他の益金~

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 法人税

十二 保険の配当金
(間違えやすい事例)
○当期の収益に計上すべき保険配当金等の金額を預り金とした法人計算をそのまま認めているもの。

○生命保険会社からの契約者配当金の通知を翌期に受けているのに、当期の収益として更正しているもの(基通9-3-8)。


十三 評価益
(間違えやすい事例)
○固定資産の評価益の計上は、会社更生法の規定による評価換えその他特定の場合を除いては認められないのに、益金不算入の処理をしていないもの(法25、令24、基通4-1-1、4-1-2)。

○自己の製作に係る固定資産(機械)の取得価額が他から購入した同種の固定資産に比して低額であるとの理由により、他から購入した価額との差額について評価益の計上を行っているのに、この評価益について益金不算入の処理をしていないもの(法25、令24、54①)。


十四 受取損害賠償金
(間違えやすい事例)
○損害賠償金の額は、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入することができるのに、損害の発生した日の属する事業年度の益金であるとして否認しているもの(基通2-1-43)

○債務者が元本の弁済を怠ったため、その遅延期間について受ける遅延損害金は、実際にその支払を受けた時点で収益計上することが認められるにもかかわらず、貸付金利子と同様に発生主義又は利払日基準により未収計上すべきとして否認しているもの(基通2-1-43)。


十五 合併差損益
(間違えやすい事例)
○適格合併により合併法人が被合併法人から移転を受けた資産又は負債につき、合併後被合併法人の合併の日の前日の属する事業年度以前の各事業年度分の調査により税務上の否認金額がある場合に、当該合併法人の当該合併の日の資産及び負債の帳薄価額に当該否認金額を加算又は減算していないもの。
(注)適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により分割法人、現物出資法人又は現物分配法人から移転を受けた資産又は負債についても同様です(基通12 の2-1-1))。


十六 その他の益金
(間違えやすい事例)
○利益積立金を取り崩して益金の額に算入しているのに、所得金額から減算していないもの。

○雇用保険法の規定により支給を受ける雇用調整給付金等について、その給付の原因となる事実があったにもかかわらず益金に算入していないもの(基通2-1-42)。

○給付を受けているにもかかわらず仮受金処理している法人計算をそのまま認めているもの。

○時効の援用をしていない債務について、当期に消滅時効が完成したとして、当該債務相当額を債務免除益として否認しているもの(民法145)。

○販売業者等が製造業者等から資産を無償で取得した場合において、その資産が広告宣伝用資産に該当しないときは、製造業者等の当該資産の取得価額を経済的利益の額として否認すべきであるのに、取得価額の3分の2相当額しか否認していないもの(基通4-2-1)。

○代表者が社長就任祝いとして取引先から個人的に贈答を受けた骨董品を法人の資産として否認しているもの。

○法人が免責期間を経過した未払配当金を雑収入に計上した場合において、法人がこれを申告減算しているものをそのまま認めているもの(基通4-2-3(注))。

○生命保険金の収益計上時期は、保険会社からの支払通知によりその収益が確定した時であるのに、死亡事故が生じた日又は保険会社へ請求した日の収益として更正しているもの。

○退職給付信託に拠出した有価証券に係る配当収入を益金の額に算入していないもの。また、所得税相当額を損金の額に算入していないもの。








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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。