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COLUMN

2019.09.05税務コンサルのポイント

[別表四]各論編⑥~受取利息、賃借料等、資産の譲渡損益、借地権の設定等に係る損益、社内団体の剰余金~

  • 富裕層コンサルのイロハ
  • 法人税

七 受取利息
(間違えやすい事例)
○既往否認の貸付金について利息の認定を行うべきであるのに、これをしていないもの。

○貸付金に対する利息の認定において、複利計算をしているもの、積数計算に誤りのあるもの又は利率の適用を誤っているもの。

○一般事業法人の有する貸付金の利息で、その支私期日が1年以内の一定期間ごとに到来するものの額について、継続適用を条件として支払日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これは認められるのに日割計算により更正しているもの(基通2-1-24)。

○実質が前渡金であるものを法人が貸付金として表示しているからとして、利息の認定を行っているもの。

○利息の定めのない貸付金に係る認定利息は、給与とすべきものを除き寄付金とすべきであるのに、未収利息の計上もれとして否認しているもの
(注)国外開運者とのものは、独立企業間価格との差額を流出否認します。

☆○債務超過等の理由により相当期間未収が継続した場合等の貸付金利子について、未収利息の計上もれとして否認しているもの(基通2-1-25)。


八 賃借料等
(間違えやすい事例)
○資産の賃貸借契約に基づいて受ける使用料等の額は、前受けに係る額を除き、その契約又は慣習によりその支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入することとなっているのに、その支払を受けるべき日が到来していないものについて未収入金として否認をしているもの(基通2-1-29)。

○資産の貨貸借契約について係争(使用料等の増減に関するものを除きます。)があるためその支払を受けるべき使用料等の額が確定せず、その支払を受けていないときは、その係争が解決して当該使用料等の額が確定し、その支払を受けることとなるまでその収益計上を見合わせることができることとされているのに、未収入金として否認しているもの(基通2-1-29)。

☆○工業所有権等又はノーハウの使用料の額について、法人が継続して契約により支払を受けることとなっている日の属する事業年度の益金の額に算入することとしているのに、その額が確定した事業年度の益金として否認しているもの(基通2-1-30)。


九 資産の譲渡損益
(間違えやすい事例)
○譲渡資産に係る税務否認額の認容を行っていないもの。

○役員に土地等を簿価で譲渡しているのに、その譲渡価額と土地等の時価との差額について否認していないもの(基通9-2-9(2))。

○有価証券の譲渡に係る収益は、原則として契約の成立した日に計上することとされているのに、それによっていないもの(法61の2、基通2-1-22)。


十 借地権の設定等に係る損益
(間違えやすい事例)
○借地権の設定等により地価等が50%以上低下しているのに土地等の帳簿価額の減額部分損金の額に算入していないもの。

○地価等が50%以上低下していないのに、土地等の帳簿価額を減額し損金の額に算入した法人計算をそのまま認めているもの。
(注)なお、土地の賃貸をした壤合の評価損(基通9-1-18)の適用があることに留意します(令138①)。


十一 社内団体の剰余金
(間違えやすい事例)
○法人及び従業員が経費を分担している社内団体の期末剰余金に係る法人持分の計算において、当期に生じた剰余金のみを計算の対象とする場合は、前期より繰り越した剰余金のうち法人持分に相当する金額は、引き続き否認すべきであるのに、これを全額認容しているもの(基通14-1-5)。・・・(A)

○社内団体の剰余金を洗替方式により加算、減算する場合には、期末剰余金のうちの法人持分を加算すべきであるのに、当期増加額のうちの法人持分のみを加算しているもの。

○上記(A)の社内団体が株式取得のために支出した金額を期末剰余金に加算していない法人計算をそのまま認めているもの。

○上記(A)の社内団体の期末剰余金のうち法人持分の算出について、貸付金等から生じた利子等をあん分計算上分母に含めて法人持分の計算をしているもの。

○法人が消費税の税抜経理を採用している場合、法人持分に相当する社内団体の収支に係る消費税額も当該課税期間の消費税となるのに、税込みによる収支の総額に基づく期末剰余金によりあん分計算を行っている法人計算をそのまま認めているもの。








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伊藤 俊一

税理士
伊藤俊一税理士事務所 代表税理士。
1978年(昭和53年)愛知県生まれ。税理士試験5科目合格。
一橋大学大学院修士。都内コンサルティング会社にて某メガバンク案件に係る事業承継・少数株主からの株式集約(中小企業の資本政策)・相続税・地主様の土地有効活用コンサルティングは勤務時代から通算すると数百件のスキーム立案実行を経験。現在、厚生労働省ファイナンシャル・プランニング技能検定試験委員。
現在、一橋大学大学院国際企業戦略研究科博士課程(専攻:租税法)在学中。信託法学会所属。